ひととまちの距離を近づける – ブックマークナゴヤ2017

毎年恒例、本と本屋さんのおまつり、ブックマークナゴヤがはじまりました。

ブックマークナゴヤ  BOOKMARK NAGOYA OFFICIAL WEBSITE

BOOKMARK NAGOYA(ブックマークナゴヤ)名古屋を中心に大型新刊書店や個性派書店、古書店、カフェや雑貨店などが参加。街のあちこちで本に関連したイベントやフェアを開催する、『本』で街をつなぐブックイベントブックイベントです。

 

2008年にはじまったこのイベントも、今年(2017年)で十年目。

十年ぶんのフライヤー、パンフレットを並べてみると壮観です。

判型も紙質もバラエティに富んでいて、さまざまなかたちで本と街の魅力を発信してきたブックマークナゴヤそのものを象徴するようです。

そんなブックマークナゴヤも、この十年という節目に、終了がアナウンスされています。

少し名残惜しい気持ちを胸に、初日の、これも恒例となった円頓寺商店街の「ブクマ古本市」に足を運びました。

名古屋駅から西、または地下鉄桜通線・国際センター駅から北へ。

駅の喧噪から少し離れた歴史ある商店街の軒先に、たくさんの古本が並びます。

 

プロの古本屋さんだけでなく、誰もが売り手となって一日古本屋を開業することができるブクマ古本市。

実は、いつかこの古本市に売り手として参加するのがひそかな夢でした。

残念ながら、ブックマークナゴヤのイベントではもう叶えられないものとなってしまいましたが、最後の古本市は、わたしにとって思い出の深いものとなりました。

 

別のイベントで知り合った人に声をかけていただけたり、逆にこちらから声をかけたり。

あるいは、SNSだけでつながっていた人が出店していて、はじめて対面でお話することができたり。

 

ブックマークナゴヤを通して知った本屋さんや、雑貨屋さんもたくさんあります。

さいきん参加している読書会の友人と、本や本屋さんの話題で盛り上がったりすることも、十年前のわたしには想像もつかないことでした。

本を通して、ひととまちの距離が近くなったことを実感します。

本好きとして、名古屋というまちに暮らしていて良かったと思います。

 

どんな本にも終わりは訪れるもの。

お気に入りの栞(ブックマーク)をはさみつつ楽しみに読んでいた本が、とうとう最後のページまでたどり着いて、もう栞をはさめない…。

十年目のブックマークナゴヤにも、同じ想いを抱いています。

 

でも、気に入った栞は、大切にとっておけばいい。

またそれを挟むのにふさわしい、次の本のページを開く楽しみがその先に待っています。

 

ブックマークナゴヤ2017は11/5まで開催中です。

行ったことがない人も、ぜひ何かのイベントやお店に足を運んでみてください。

そして、イベントが終わっても、そこで出会った本、そしてひととまちの思い出は、まだ見ぬ何かにつながっていくことでしょう。

 

Published by mizuho

文字遣い/探索士 ——夕霧に包まれ消えゆく島の名を知る術も無し凪の私は

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