瀬戸内ネコ歩き – 瀬戸芸の島編

7月も終わりなので、瀬戸内国際芸術祭関連の記事もいったんひとやすみ。8月になったら、地元愛知県で開催される「あいちトリエンナーレ2016」の記事を上げていく予定です!

さて、今回は島で出会った猫の話題。

芸術祭の作品がある島に限らず、瀬戸内には多くの猫が暮らしています。そんな子たちと出会うことができるのも、楽しみのひとつ。

 

まずは直島。大竹伸朗さんのアートで有名な直島銭湯の軒先で、さっそく猫がお出迎え。

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あちこち歩き回って、いいポーズしてくれました。

 

ちなみに、直島銭湯がある宮浦港とは反対側・本村港付近には、猫カフェもあるそうですよ!=^_^=

にゃおしま (直島町その他/カフェ)

 

次は男木島です。オンバを前景に。

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もう一匹きました。

 

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興味津々なご様子。

 

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すぐ飽きて、毛づくろいに夢中。

 

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そして悠然と去って行く。この気まぐれ感がたまりませんね!(笑)

 

女木島では、狭いところで見かけた子の後ろ姿だけ。

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最後に、前回(2013年)の写真ですが、高見島の猫を。

 

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地元の人によると、この島の看板ねこだそうで。

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とってもなつきます。

 

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なんとなしに物憂げなポーズ。

 

高見島でのアート作品は秋会期の公開ですが、猫に会いに行くためなら会期を外したほうが落ち着けるかもしれませんね。

高見島へは多度津港から。同じ航路で、猫が多い島として知られる佐柳島(さなぎじま)へも行けます。

 

おまけ。今回の記事タイトルは、NHKで放映されている写真家・岩合光昭さんの「世界ネコ歩き」から拝借しました。

旅先で猫写真を撮るなら、この本は必携です!

 

日本の街中をよみなおす – まちの文字図鑑 よきかな ひらがな

以前、街中の文字観察を楽しむ一冊として、「タイポさんぽ」という本をご紹介しました。

その後も「タイポさんぽ 台湾編」という続編が出版され、日本の漢字とはまた違う自由度の高いデザインを楽しめるものになっています。



といいつつ今回は、日本ならではの文字・ひらがなに焦点を当てた本をご紹介。


著者の松村大輔さんはブックデザイナーとしても活躍され、「タイポさんぽ」でもデザインを担当しています。

今回は逆に「タイポさんぽ」の著者、藤本健太郎さんが装丁を担当。なんだか、こういう関係性はいいですね(^^)

 

本のコンセプトはというと、街中にある看板などの文字から、ひらがな一字だけを切り出して、五十音図鑑をつくるというもの。

 

本来は店名や注意書き文のために組まれた文字を、あえてバラバラにすることで、見えてくることがあります。

「わかる」は「分ける」という言葉からきているように、分別することは、ものごとをより深く観察するのに大切な手法。

レタリングや文字の書き写しをするのでもないかぎり、ふだん、ひらがなの一字ずつを注意することはないと思います。

じっくり観察してみると、同じ文字でもこんなにデザインの幅が広いものなのか! と驚かされます。

 

これはぜひわたしもやってみよう! と思って撮った写真を見返してみたら、意外にも、ひらがなの写っているものがあまりないことに気づきました。

お店の看板はカタカナの店名ばかり。お店以外だと、ちょっと古い漢字で組まれたものばかり。

たまたま、わたしがそういうものに惹かれるのか、そもそもそういうものなのか。

 

それはともかく、やっと探し出したものをちょっとご紹介。

 

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全体写真はこちら。古い看板だと、経年劣化で筆の運びがレントゲン写真のように見えてくるのがおもしろいですね。
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これは…?

 

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東海圏ではおなじみの、和食チェーン「サガミ」。

小さいころからよく家族で食べに行きましたが、まさか「が」だけひらがなだとは! はじめて気づきました(笑)

 

という感じで「ひらがな」に着目して街中をよみなおすことで、新たな発見も得られます。

 

続編として「イイカナ カタカナ」も刊行予定だとのことなので、こちらも楽しみです!

 

自分の力を引き出す最長老をみつけよう

自分には、まだ隠れた潜在能力が眠っている。
もし、それを100%引き出すことができたなら…。

そんな妄想をしたことはないでしょうか?

 

わたしがそんなことを考えてしまうのは、ドラゴンボール世代だからかもしれません。

ドラゴンボール」は、言わずと知れた鳥山明先生の大人気漫画作品。
七つ揃えれば、どんな願いも叶えてくれる不思議な球「ドラゴンボール」がある世界で、主人公・孫悟空とその仲間たちが、つぎつぎに現れる強敵と戦っていく物語です。

そんなストーリーをテンポアップするための要請か、悟空たちが潜在能力を一気に引き出してパワーアップする、という展開が何度も描かれます。

ピッコロ大魔王を倒すために、カリン様から渡される超神水。

 

悪の帝王フリーザに対抗するため、クリリンや悟飯をパワーアップさせるナメック星の最長老さま。

終盤には、老界王神も同じような役割を果たします。

説明のために商品画像を探しましたが、全部ちゃんとあって驚き(笑)

 

フィクションのこと…というなかれ、現実でも、そんな力をもった人はいるのではないか、と思うのです。

もちろん、怪しげな○○水みたいなものを薦めるわけではまったくなく(^^;

ずっと眠っていた「自分の力」が、あるとき、ある人に会うことで開花する、ということはあるのではないかと。

たとえば、その人の言動から、自分が本来もっている強みをどう活かせばよいかを学んだり。

もっと直接的に、自分の目指すべき道を指し示してくれたり。

 

では、どうやってそんな人を探したらいいのか?

ここまで書いておいてなんですが、実はわたしもまだよくわかっていません。

ある程度有名な人の中から探すなら、人気のある本やブログを読んでみて、自分と波長の合いそうな人をみつける、というのもひとつの手。

あるいは、あんがい身近にも、自分だけの「最長老さま」はいるのかもしれません。

 

ただ、おそらく確実に言えることは、そういう人を探そう、という意識がないと、きっとめぐりあえないということ。

 

またドラゴンボールでたとえるなら、七つの球を揃えても「出でよ神龍、そして願いを叶えたまえ」と言わないと、神龍は現れてくれないのです。

 

願わなければ、叶わない。

 

あれっ、どんな願いも叶えてくれるなら、どうして誰も神龍に自分の潜在能力を引き出してくれと願わなかったのかって?

ううむ、それは数あるドラゴンボールの謎のひとつということで(笑)

戦後を感じるモダニズム建築 – 香川・高松まちあるき

瀬戸内国際芸術祭の四国側玄関口となる、香川県高松市。県庁所在地として、新しい建物と歴史的な建物が混在した街並みは、歩いていて飽きることがありません。

今回、女木島の案内所でもらった「めぐるーと高松」というパンフレットがとても参考になったので、これを片手にまちあるきを楽しんでみました。

 

スタートはJR四国・高松駅から。外観が顔になっていてかわいいです。

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香川県庁を目指すため、バスターミナルへ。路線が複雑で乗り間違えそうになりますが、運転手の方に行き先を言うと、どのバスに乗ればよいか親切に教えていただけました。

 

こちらが香川県庁舎。

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手前の東館(旧・本館)の竣工は昭和33年。日本の戦後を代表する建築家・丹下健三が設計した、モダニズム建築の傑作と言われます。

奥の現・本館も同じく丹下健三によるもので、こちらは平成12年に竣工。

 

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ちょうど通りがかったバスのラッピング広告がかわいかったので、いっしょに撮影。広告のロゴといい、50年以上の時代のギャップを感じさせず、不思議に調和していますね。

当時の県知事・金子正則の「県民に開かれた空間」にしたいという想いが、実際に訪れるとよくわかります。 モダニズム建築の特徴とされるピロティが、歩道からスムーズにつながって、誰でも入りやすい空間になっています。

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「いま、ここは閉じています」は、新ゴっぽいフォントからして、だいぶ後の時代に作られたと思われます(笑)

 

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ピロティの奥は日本庭園。

 

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一階ロビーも開放されています。中央の猪熊弦一郎による陶板壁画は、瀬戸内国際芸術祭の205番アート作品という扱いにもなっています。

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奥に県庁舎や丹下建築の歴史を紹介した展示も。既決・未決箱が高まる!(^^)

 

さて、県庁から中央公園沿いに丸亀町まで向かうと、素敵な建築がたくさんありました。パンフレットには載っていない、個人的に気になったものもまとめてご紹介。

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上下水道工事業協同組合ビル。明朝体が渋ビルっぽさを増しています。

 

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ロゴがすばらしい、番町書店と美容室トキムネ。トキがムネムネしますね!(笑)

 

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「混在併存」がポリシーの大江宏が設計した、香川県文化会館。

 

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なるほど〜。って、何がなるほどなのか?

 

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向かい合う、香川市庁舎と香川国際交流会館(旧・県立図書館)。

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そのとなりにある、和菓子屋・巴堂さん。ぶどう餅おいしかったです!

 

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百十四銀行本店。緑青のブロンズとガラスがとても美しい。そうと知らなければ、昭和41年の竣工とは思いもよらなかったでしょう。

 

あとは、もはや建築ではないけれど、気になった子たち。

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後から貼られた文字は、たいていウェイトが揃わないので気になります。

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中央公園、パイロンに守られたタヌキの石像。名前はハゲさんだそう(^^;

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地下道には、星座を模した壁画が。

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いい丸ゴシック!

 

今回紹介した市街地以外にも、香川には魅力的な建築がたくさんあります。

直島で開催中の「直島建築+The Naoshima Plan」もおすすめです! 安藤忠雄のANDO MUSEUM、地中美術館とあわせてどうぞ。


 

瀬戸内ステンシル – 必要はフォントの母

さて、ではさっそくわたしの視点で、瀬戸内国際芸術祭の感想を書いていきます。

最初のテーマは、このブログらしく「文字」。

 

文字といえば、2010年の芸術祭の頃に強く思い出に残ったのは、男木島の港に浮かぶ男木交流館「男木島の魂」。

ですが今回訪れてみて、それ以外に印象的だったのは、街のあちこちにあるステンシル体でした。

 

ステンシルというのは、木や金属などのテンプレートに文字をくりぬいておき、それをなぞったり、上から塗装することで、いろいろな場所に文字を書ける手法。

テンプレートがひとつなぎになるように、文字に欠けた部分ができるのが特徴です。

必要に迫られてデザインされたフォントといえるでしょう。(厳密には、手書きのものはフォントではないですが)

 

宇野と直島をつなぐフェリーの中に、そんなステンシル体がいくつも残っていました。

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ひとくちにステンシル体といっても、字体もさまざまで、書いた人の個性を強く感じます。

なぜか消火装置ばかり(笑)

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そして、必要に迫られてといえば、これも男木島で有名なオンバ・ファクトリー

ONBA FACTORY

坂や路地の多い島内で暮らすための必需品であるオンバ(乳母車)を制作する工房。

そのオンバに刻まれた「ONBA FACTORY」のロゴも、しっかりステンシル。

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せっかくなので、工房の方に話を伺えれば良かったのですが…また次に訪れた機会にはきっと!

検索してみると、2010年4月ですが、ステンシル制作の様子を公式ブログで見つけました。

ONBA FACTORY

 

必要性から生まれる美しさという点で、アートとフォントの共通点を感じる体験でした。