自分の資質を知り、強みを活かす – ストレングスファインダー

このブログ「凪の渡し場」では、人間を内向型と外向型に分けたとき、とくに内向型人間ならではの特質を、強みへと活かす方法を紹介しています。

大海へと漕ぎ出す羅針盤を手に入れよう – 内向型人間のための人生戦略大全

 

でも、ざっくりと内向型人間といっても、その特質、強みはひとりひとり違います。

調べてみると、もっと細かく、自分だけの資質を知る方法がいくつも見つかります。

その中のひとつが、人間の強み(才能)を34に分類した、ストレングスファインダー

 

対象書籍を購入すると、診断テストへのアクセスコードが手に入り、自分の五つの資質を明らかにすることができます。

比較的安価で診断できることもあってか、多くの方がブログでストレングスファインダーの結果を公開されています。

そのメリットは、自分の資質を知るだけでなく、他人の資質とも簡単に比較できること。

なんとなく自分と似ていると感じる人の資質が、自分とどれくらい一致しているのか知りたくなって、今回はこれを試してみました。

 

そして、わたしの結果がこちら。(本来は優先度に従って並んでいますが、あえて50音順にしています。カッコ内は意訳)

  • 学習欲(学ぶの大好き)
  • 個別化(ひとりひとりのユニークな個性に興味がある)
  • 慎重さ(用心深く油断しない)
  • 内省(考えること大好き)
  • 分析思考(データ大好き)

われながら、そしておそらく、わたしのことをよく知っている人なら、納得の結果となっています。

慎重さ」には、こんなことも書かれています。

あなたは自分のことをあまり話しません。

まさにこの資質ゆえに、あまり解説はしたくありません(笑)。

 

また、追加料金を払うことで、6位以下の資質も知ることができるようです。

ただ、わたしはいまのところ、それはやっていません。

それは「慎重さ」のためだけではありません。

ストレングスファインダーの設問や、自分と共通する資質を持った人が他にもっている資質から共感するものを分析することで、ある程度推測できるのでは? と考えたから。

これこそ「個別化」と「分析思考」のたまものと言えるのではないでしょうか。

 

たとえば、いろいろなものに好奇心をおぼえるから「収集心」は次点に上がりそう。

いろいろなものの結びつきを探したくなるので「着想」もありそうです。

あとは、知っている人とより深い関係を結びたくなる「親密性」。

逆に、「コミュニケーション」「自己確信」「司令性」は低そう。

 

このようなストレングスファインダーの結果を、リーダーシップやチームに活かすという考え方があります。

ストレングスファインダーをチームで活かす(実例ケーススタディ付き) | 今、夢に生きる

今回は、強み発見テスト・ストレングスファインダーをチームで生かす方法について。 ストレングスファインダーは、アメリカのギャラップ社が運営している「強み診断ウェブテスト」です。 テストを受けると、34個の資質のうち、自分が持っている上位5つの資質を教えてくれます。 個人でやるのも面白いんですが、チームで補完関係を考えるのに使うと、もっと面白いんです。 私を含めて3人で、 広島ぶろがー会 …

こちらでは、ストレングスファインダーの資質を実行力、影響力、人間関係構築力、戦略的思考力の四つに分けて、それらをカバーするチームが理想としています。

もういちどわたしの資質を見ると、明らかに〈戦略的思考力〉に偏っています。〈影響力〉はひとつもありません(笑)

  • 学習欲〈戦略的思考力
  • 個別化〈人間関係構築力
  • 慎重さ〈実行力
  • 内省〈戦略的思考力
  • 分析思考〈戦略的思考力

収集心、着想も〈戦略的思考力〉に分類されます。親密性は〈人間関係構築力〉。

どうも、いわゆる内向型人間の強みは〈戦略的思考力〉に、外向型人間の強みは〈影響力〉に強く現れるようです。

なぜか〈実行力〉に分類されている慎重さも、内向型人間の典型的な強みですが、これは活かし方次第、と解釈しています。

わたしはいままで、慎重さと内省の結びつきが強すぎて、ほかの強みを活かせなかったことも多いので、慎重になりすぎないことも大事。

「やらない理由」を考えすぎてしまう人に贈る言葉

影響力はどうしようもないので、影響力の資質を持った誰かの力を借りることも重要かな、と思います。

 

個別化」の資質を別の言葉であらわすと、「みんなちがって、みんないい」。

 

自分だけの強みを見つけること。

自分自身の、そして誰かの強みを組み合わせること。

それが、人生をもっと楽しく豊かにします。

 

 

好きなことの語りかた – ヒト、モノ、バのどれにフォーカスするか

このブログ「凪の渡し場」では、日常を新たな視点で見るために、わたしが気になったこと、好きなことについて語っています。

 

好きなことを好きだと言えることはとても大切で、それをできるだけ多くの人に届く言葉で語ることも、同じくらい大事だと思っています。

 

では、どういう切り口で、好きなことを語ればいいのか。

今回は、ブログの記事を例に、好きなことの語りかたを三つに分けて語ってみます。

 

ヒト(人)

ひとつめは、ヒトにフォーカスして語る方法。

ある本や作品に触れたとき、その作り手自体の視点を強く感じることがあります。

そんな場合は、その作品の紹介というよりは、その人を友人に紹介する気持ちになって文章を書いています。

 

水のような、空気のようなフォントを世の中に生み出す人がいる – 文字を作る仕事 では、書体設計士の鳥海修さん。

原平という人がいた! – 赤瀬川原平の全宇宙 など多くの記事では、赤瀬川原平さん。

文章であらわす、わたしの姿 – 北村薫の創作表現講義 では、作家の北村薫さん。

 

ただ、この方法、実はわたしはまだ得意ではありません。

大愛知なるへそ新聞に参加して記事を書いたときにも、出来事を通してその人の個性を語ることの難しさを痛感しました。

その奥にあるのは、表面的なイメージで人をとらえたくないし、とらえられたくないという気持ち。

記事を見返すと、まだまだ表面的なイメージにとらわれているところもありそうなので、もっと掘り下げて、人のことを知りたい、語りたいと思います。

 

モノ(物)

ふたつめは、モノにフォーカスして語る方法。

文字通り、一般的なものがたりの手法でもあります。

迷わず使いわけたい! 筑紫A丸ゴシック・筑紫B丸ゴシックもう一つの丸明朝体、解ミンなど、フォントの紹介記事もこのタイプ。

図解で知る、深く味わう – 名古屋東海図鑑で書いたとおり、「図鑑」が好きというのも、この話に通じるところがあります。

ものがたりというと文系的ですが、理系的な視点も説得力を持たせるためには重要。

あるモノの特徴を数字や図解で示すことで、どんな特徴があるのか、何がすぐれているのかを客観的に語ることができます。

 

 

バ(場)

さいごに、ヒトやモノよりもっと広い場、つまり土地や集団といった面にフォーカスを当てる方法があります。

名古屋の本屋の中心に – ちくさ正文館と、喫茶モノコト〜空き地〜は、その典型的な例。

トリエンナーレの裏側で – 岡崎タイポさんぽなど、まちあるきの記事も、そこに行ったことがない人にもその土地らしさを感じてもらうことを目標にしています。

広島偏愛シリーズも、個々の記事ではモノにフォーカスしながら、それを生み出した広島という土地に対する興味から書き続けています。

 

 

個別にものを見ることも、場の全体を見渡すことも、どちらの視点も大事にしたい。

「凪の渡し場」が渡し舟ではなく渡し場なのも、そんな意味を込めていたりします。

 

ブログだけでなく、好きなことを語るときに、どうやって想いを伝えたらいいのか、その語りかたの参考になれば幸いです。

日本の伝統をロゴで味わう – Typography 10

年二回刊行される、文字をテーマにした雑誌「Typography」。

10冊目となる2016年11月号の特集は「日本語のロゴとタイトル」でした。

 

日本最初に紹介されているのは、室町時代の京都から続く老舗の和菓子屋、とらや。

とらやの和菓子|株式会社 虎屋

室町時代後期、京都で創業した和菓子屋「とらや」のオンラインショップです。「とらや」を代表する羊羹や季節の生菓子の情報、和菓子にまつわる歴史・文化、店舗の情報、イベントのお知らせなどを随時更新しております。

和菓子と言えば、単なる食べ物としてだけでなく、色、形、パッケージといったトータルデザインで手に取る人を楽しませてくれる、まさに小宇宙。

そのロゴデザインに着目して味わうことができる、今回の特集。

小形羊羹 5本入 | 箱入・詰合せ | とらやの和菓子|株式会社 虎屋

室町時代後期、京都で創業した和菓子屋「とらや」のオンラインショップです。「とらや」を代表する羊羹や季節の生菓子の情報、和菓子にまつわる歴史・文化、店舗の情報、イベントのお知らせなどを随時更新しております。

小形羊羹「夜の梅」「おもかげ」「新緑」「はちみつ」「紅茶」…筆文字がよく似合う、このネーミングだけで心が躍ります。

和菓子の名前のことを菓銘というのだということを、はじめて知りました。

 

小形羊羹 | 歴史 | とらやの和菓子|株式会社 虎屋

室町時代後期、京都で創業した和菓子屋「とらや」のオンラインショップです。「とらや」を代表する羊羹や季節の生菓子の情報、和菓子にまつわる歴史・文化、店舗の情報、イベントのお知らせなどを随時更新しております。

とらやの公式ページを見ていたら、昔のパッケージも見つけました。ウエストがスリムな「羊」、このロゴも素敵ですね。

 

その他にも、本誌では様々なデザイナーの手がけたロゴが紹介されています。

美術館の特別展ポスターなど、なかなかデザイナーの名前が出ることは少ないので、作り手ごとの作品集として見られるのは嬉しいですね。

とくに気になったのが、野村デザイン制作室の野村勝久さん。

野村デザイン制作室

山口県にデザイン事務所を構えています。広告や美術館のグラフィックデザインなどをしています。

作品の一部はこちら。

特別展 超絶技巧!明治工芸の粋 ─これぞ、明治のクールジャパン!! – 山口県立美術館

特別展 超絶技巧!明治工芸の粋 ─これぞ、明治のクールジャパン!! 2015年2月21日(土)〜4月12日(日) 山口県立美術館にて開催。

コレクション特別企画 雪舟と雲谷派 テーマでくらべる – 山口県立美術館

コレクション特別企画 雪舟と雲谷派 テーマでくらべる 2014年10月30日(木)~2014年11月30日(日) 山口県立美術館にて開催。

「ロイヤル・アカデミー展 イギリス美術の華麗なる150年」|静岡市美術館

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明治・大正期のロゴの雰囲気を感じさせつつ、現代的なフォントを組み合わせても違和感がありません。

山口県で活動されていて、山口県立美術館や広島市現代美術館のポスターやカタログも多数制作されているそう。

思わぬところで広島偏愛シリーズとのつながりを感じて、勝手に嬉しくなりました(笑)。

ライフ=ワーク – 広島市現代美術館

「ライフ=ワーク」展では、広島の被爆者たちがその体験をもとに描いた「原爆の絵」(広島平和記念資料館蔵)を出発点に、自身の体験、生活、人生が色濃く反映する13作家の表現をあわせて紹介します。

 

文章であらわす、わたしの姿 – 北村薫の創作表現講義

文章表現には、その著者だけの視点があらわされています。

だから「表現」の文字も「著」の文字も、「あらわす」と読むことができる。

今回は、わたしが読者として偏愛し、また書き手としても憧れを抱いている作家の一人、北村薫さんによる文章表現の本をご紹介します。

 

北村さんは高校の国語教師をするかたわら、日常の謎を描いたミステリ「空飛ぶ馬」で作家としてデビューしました。

当時は、プロファイルを明かさない覆面作家としてデビューしたため、作中の語り手と同じ女子大生だと思っていた読者もいたとか。

のちに、経歴と性別(念のため、男性です)を明らかにして、小説だけでなく評論やアンソロジーの編集などで活躍されています。

 

この本は、北村さんが母校の早稲田大学で受け持った表現の授業をもとにつくられたもの。

昔の小説を題材にした講義や、現代の作家・編集者を招いてのインタビュー、それを学生たちがコラムの形にしていくワークショップなど。

思わず自分も学生として参加したくなるような「北村薫の授業」が、ここにあります。

 

さらに、本の中盤では、北村さんが当時NHKの番組「課外授業 ようこそ先輩」に出演されたときのエピソードも収められています。

この番組は、出演者が卒業した小学校を訪れ、後輩の児童に特別授業を行うというもの。

大学生と小学生という受け手の違いから、授業の表現方法は変わっても、北村さんらしい視点がここにもあらわれます。

 

北村さんが授業を通して伝えたかったというのは「はてな、と思うことの大切さ」。

こどもたちがまちなかで「はてな」と思うことを探し出し、それを自分の物語にしていきます。

 

日常の謎、それは路上観察学やトマソンにもつながる視点。

普通ならそのまま通り過ぎてしまう日常を「謎」という視点で読み直すと、また違った物語が見えてきます。

 

人の視点の数だけ、ものがたりが生まれる。

そのものがたりにあらわれる「わたし」の姿、「あなた」の姿。

文章表現を大切にするということは、それを大切にするということでもあります。

 

 

国鉄中央線の記憶をたどる – 愛岐トンネル特別公開

中央線と言っても、東京ではなく、東海のお話。

 

JR名古屋駅からやってきた電車が高蔵寺駅を過ぎると、トンネルを通り、愛知県と岐阜県の県境を越えて多治見駅に向かいます。

いまでは10分程度で通り過ぎる、この区間のそばに、100年以上の昔、明治時代に作られた赤レンガの旧線が眠っています。

 

それは、忘れられかけた日本近代化遺産のひとつ。

 

その廃線路の記憶を呼び覚まそうと活動に取り組んでいるのが、愛岐トンネル群保存再生委員会。

愛岐トンネル群保存再生委員会 公式サイト

愛岐トンネル群の「秋の公開」が近づいてきました。11/26(土)~12/4(日)の特別な9日間です! 秋と言えば、やっぱり紅葉。 紅葉と明治の赤レンガトンネルが一緒に味わえる愛岐トンネル群へお出かけください。愛岐トンネル群保存再生委員会では、 公開に向け整備に頑張っています。

今回は、平成28年秋の特別公開に行ってきたので、その様子をご紹介します。

 

最寄駅はJR中央本線・定光寺駅

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ふだんは普通列車しか停まりませんが、特別公開中は一部の快速列車も臨時停車するようです。

 

定光寺駅はトンネルとトンネルの合間、崖っぷちのようなところにホームが作られています。

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名古屋からほど近いのに、まるで秘境駅の雰囲気を感じられる駅としても有名ですね。

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JR東海のICカード・TOICA圏内なので、Suica・ICOCAも使えます。

 

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2016年現在、保存再生活動の対象として一般公開されているのは 3号〜6号トンネル。

定光寺駅に近い3号トンネルが入口になります。中学生以上は、保険料・施設整備費として100円が必要。

 

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3号始発駅。すみ丸ゴシックではないですが、ちゃんと駅名標が用意されています。

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トンネルの中や外のあちこちに、かつての施設の痕跡やバラストが残されていて、あえて整備しすぎないようにしている印象を受けます。

路上観察学にも通じるものがありそう。

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かと思えば、誰が作ったのか、こんなかわいい木彫りの動物がいたり。

 

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3号トンネルを抜けると、竹林駅

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緑あざやかな竹林を抜け、さらに4号トンネルへ向かいます。

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大モミジ前駅。渓谷と色づくもみじの景色が楽しめます。

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会員の方のの手作り水車のある、水車前駅

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さらに進むと、お弁当や飲み物売り場のあるマルシェ駅

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せっかくなので、エビ味噌カツ弁当をいただきますね。

 

体力を回復したら、5号トンネルへ。

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トンネルを抜けると、レンガ広場前駅

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C57型SLの動輪が展示されていました。

自転車のペダルをこぐことで動かすことができる、というめずらしい動態保存の形式。

 

そして、いよいよラスト、6号トンネル。

ここまでは100m未満のトンネルばかりでしたが、6号トンネルは全長333m。

工事中に崩落があったために80m延長したそうで、トンネルの途中に元の入口跡があります。

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こんな神秘的なパイロンは初めて見ました。

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懐中電灯がないと、ほんとうに真っ暗。iPhoneの懐中電灯機能でもいいですが、ちゃんとしたものを持っていくことをおすすめします。

 

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そして、トンネルを抜けると、終点の県境駅

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そう、この先はもう岐阜県多治見市。

向かいの7号トンネル自体は名古屋市の所有ながら、いろいろ壁があって、行くことはできないのだそうです。

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委員会としては、7号、8号トンネルも公開対象として、その先の古虎渓駅までつなぎたいとのこと。

ふしぎな言い方になってしまいますが、いつか、この廃線跡が全線開通する日の来ることを待ち望みます。

 

 

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ということで今回は、来た道を戻ります。意図的か偶然か、「アイチしょうゆ」のかごを横目に。

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ゆっくり探索しながらだと、往復2時間くらいの道のりでした。次回は2017/5/3(火)〜5/7(土) に公開予定とのこと。

 

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おまけ。やけにフレンドリーなよびかけの中部電力さん。