瀬戸内国際芸術祭2019、最後の秋会期が11月4日(月)まで開催中です。
今回は、この芸術祭の舞台となる備讃瀬戸を関西・東海地方から訪れる方法についての記事です。
(料金、ダイヤは2019年10月26日現在の情報)
備讃瀬戸とは、旧国名でいう吉備(岡山)と讃岐(香川)の間に挟まれた、瀬戸内海のうちでも東よりの海域を指します。
反対に安芸(広島)と伊予(愛媛)に挟まれた西側は芸予諸島と呼ばれる島々がひろがり、こちらを〈しまなみ海道〉などで渡るルートも魅力的なのですが、それはまた別の話。
本州から香川など四国地方を訪れるには、瀬戸内海をなんらかの方法で渡る必要があります。
飛行機をべつにすれば、岡山から瀬戸大橋を渡って高松に向かうルートがオーソドックスでしょうか。
ほかにも、大阪・神戸からは淡路島を通る明石海峡大橋経由の高速バスが多数発着しています。
今回はフットバスの〈大阪うどん線〉を利用しました。
始発は南海なんば駅、大阪駅前のバス停もあるので、名古屋方面からも近鉄特急や新幹線を乗り継いで利用できます。所要時間は3時間ちょっと。
料金は大人片道4,100円ですが、早めの予約やネット予約による割引・さらに後で紹介するジャンボフェリーとのセット割もあるので、JRを利用する鉄路に比べ、かなりお得です。
(大阪から高松までのJR乗車券は4,720円/新大阪〜岡山の山陽新幹線自由席は2,530円/所要時間約2時間)
大阪駅の北に鎮座する梅田スカイビルを眺めつつ出発です。
途中、淡路島のパーキングエリアでトイレ休憩もあります。フットバスだけに、足のイラストがペイントされているので乗り間違えもなさそう。
徳島を経由して、いよいよ高松市内に入ります。
こちらの家具屋のロゴ、本当に家具をかたどっていてかわいい。
市街地へ向かう場合は栗林公園前や県庁通りで降りることもできます。高松駅前のバス停は、アイキャッチ画像の tk04 本間純〈待つ人/内海さん〉の目の前です。
秋会期の会場である本島・高見島・粟島・伊吹島を訪れる場合、さらにJRで西へ向かい、それぞれの最寄り港を利用します。
粟島最寄りの須田港。この鮮やかな青いのぼりを見ると、瀬戸芸に帰ってきたという気持ちになります。
粟島は三年前の記事でも紹介していますが、新しい作品も増えて、さらに魅力が増していました。
別の記事でくわしく取り上げるかもしれませんが、ひとまず海や港をテーマにした作品をすこしだけ紹介します。
sw01 日比野克彦〈一昨日丸〉は実際に乗船することもできます。
aw05〈SOKO LABO〉では海底から引き上げたものを調査するイベントが行われていました。
旧粟島小学校を舞台にした aw07 ムニール・ファトミ〈過ぎ去った子供たちの歌〉。屋上に上がれば、ひきもきらず発着する船影を背景に、チョークで書かれた詩が胸に迫ります。
いつまでもこの地にとどまっていたい気もしますが、そろそろ別れの時が迫ってきました。
高松・神戸間は小豆島を経由するジャンボフェリーが就航しています。大人片道1,990円(深夜便や土日祝はそれぞれ500円増し)。
現在は50周年を記念して〈にゃんこフェリー〉になっています。
どういうことなの…とフェリーの到着を待っていると、かわいいウインクで颯爽と姿を現しました。
着岸とともに〈りつりんニャンコ〉の口が開いていきます。
後ろのロゴは〈ジャンボフェリー〉のままでした。残念!
内装にもあちこちに猫が隠れているのですが、プライバシー保護のため撮影禁止だそうです。いつまで運行するかわからないので、早めにその目でお確かめください。
この時季なら高松14:00発/小豆島15:15初の便に乗れば、ちょうど船内で日没が見られます。
ヤノベケンジさんの〈ジャンボ・トらやん〉を赤く染める夕陽。
明石海峡大橋をくぐり抜ける瞬間のスペクタクルは、一度は体感する価値があります。
陸路で、海路で、瀬戸内を味わってみてください。
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