内向型人間には外向型人間にはない強みがある。だから、そのままでいい—。
そうはいっても、引っ込み思案のままでいては、強みを生かすこともできないのでは?
変わるべきところと、変わらなくてもいいところ、それぞれあるのではないか。
わたし自身、そういう思いで揺れ動きつつ、なかなか考えがまとまらずにいましたが、この本で、それに対する答えを見つけることができました。
ほんとうの書名は「一歩」ですが、Amazonでは「1歩」になってしまっているのが残念(笑)
それはともかく。「道徳」というとなんだか堅苦しい印象を受けますが、中身はまったくそんなことはありません。
著者は長年小学校の先生をやられていた方なので、あえて「道徳」という言葉を使ったのだと思います。
もちろん、小学生のためだけの本ではなく、大人が読んでも多くの学びを得られます。
「はじめに」では、内向型と外向型のことがとてもわかりやすくまとめられつつ、冒頭の疑問に対する答えが語られます。
「今のままの君でいい」という言葉。
それは内向型という性向(性分)に対しては、たしかに正しい。
けれど、それを自分の状況を変えない、行動しない言い訳にしてはいけない。
では、どうやって一歩を踏み出すか。
それには大きく分けて「やる気」と「勇気」が大切になります。
「やる気」は向こうからやってくるものではなく、こちらから迎えに行くもの。
たとえば、本を読む気が起きなくても、数行だけでも読み始めてみる。
文章を書きたくないと思っても、とりあえずパソコンに向かってみる。
そうすれば、いつのまにか熱中しだすもの。
それを続けていけば、習慣化することもできます。
「勇気」も同じで、思い切って自分の心に「火をつける」。
とくに、内向型にとっては、不安や考えすぎが先に立って「火を消す」ことを選びがち。
でも、それは人生の中で出会う分かれ道かもしれません。
無数の分かれ道の中で、火を消す道を進むのか、火をつける道を進むのか。
それによって、まったく違う人生が待っているとしたら。
ちょっと恐ろしい気もするし、ワクワクする気もしますよね。
一度しかない人生。
もし、その最後に「もっとおもしろいことをやっておけば良かった」と思うのだとしたら、本当に取り返しのつかない後悔。
それを思ったら、いま一歩を踏み出すことは、なんでもないこと。
それが、この本で言うところの「先取り後悔」。
どうしてもポジティブになれないのなら、むしろもっと悪い状況を考えて、そうならないようにする。これもひとつの考え方だと思います。
本の後半は、人とつながる、社会と関わって生きるための章。
これもまた、内向型だからこそ実感することでもあるのですが、長くなったのでまたの機会に。
今日からさっそく一歩を踏み出すことで、明日からきっと、世界は変わる。
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