日本の発展は、ものづくりによって支えられてきたといいます。
けれど、ものをつくっただけでは、それを多くの人に届けることはできません。
魅力的なものをつくること。
その魅力をつたえること。
そのどちらもが、モノとヒトのあいだのつながりには欠かせません。
そんなつながりを感じられるのが、東京・銀座ソニービルで2017年3月まで行われている「It’s a Sony展」。
今回は、その周辺も交えて紹介します。
まずは、JR・東京メトロ・都営地下鉄新橋駅近く、カレッタ汐留にあるアド・ミュージアム東京へ向かいます。
ここは、日本で唯一という広告ミュージアム。
江戸時代の錦絵にまでさかのぼり、さまざまなメディアでつたえられてきた「広告」にふれることができます。
館内は撮影禁止でしたが、昭和を感じる新聞・雑誌広告のデザインは見飽きることがありません。
TVやラジオのCMは実際に視聴できるブースが設けられています。
ことし30周年を迎えるJR東海、記念TOICAが発行されることで話題になった「クリスマス・エクスプレス」も。
特別展として「D&AD Awards 2016」も1月14日(土)まで開催中です(こちらは撮影可能)。
いままでの広告の枠を超えた現代のマーケティング、デザインが楽しめます。
神戸で開催されていたマスキングテープ「mt博」のミニ展示も!
また、近くにはパナソニック(旧・松下電工)の汐留ミュージアムもあります。
汐留ミュージアム | Panasonic
パナソニック 汐留ミュージアム(東京・汐留)では常設のジョルジュ・ルオー作品展をはじめ、様々なアートイベントをご用意しています。
今回はちょうど展示替えで休館中でしたが、いずれ行ってみたいところです。
さて、そのまま銀座方面まで歩いてみます。
行く手に、特徴的な建物が見えてきました。
これこそが、戦後日本を代表する建築家・黒川紀章が設計した、中銀カプセルタワービル。
メタボリズムという考え方にもとづき、一室ごとが取り替え可能なカプセルとしてつくられました。
実際には、1972年に竣工してから一度も取り替えられることはなく、老朽化のため立て替えの危機に迫られています。
もはや伝説と言える「カフセルタワーヒル」を生で見られて感激(笑)。
カプセル自体は通常の住宅として使われているため、無許可で見学・立ち入りはできませんが、一角にあるコンビニなら誰でも入れます。
そのコンビニはなんと、広島偏愛シリーズでおなじみ、ポプラ!
ふしぎなつながりを感じつつ、銀座までやってきました。
こちらが今回のメイン、銀座ソニービル。
4月からの建て替えを前に、ソニー創業70年、ビル開館50年をふりかえる「It’s a Sony展」、その第一期が開催中です。
1階には、雑誌POPEYEとコラボし、さまざまな人ゆかりのソニー製品が展示されています。
そして2階からは年代別の展示がはじまるのですが、製品だけでなく、建物自体もみどころのひとつに据えられています。
フロアの高さを90cmずつずらすことで、ビル全体をひとつの空間として連続させています。
ショールームとして、ものをひとにつたえるために計算された建物。
それは、福島のさざえ堂にも似た回廊空間。
ものと広告、そして人の記憶、さまざまな視点で楽しめます。
丸ゴシックっぽいSoni-Tape のロゴ。時代を感じる影の処理も含めてかわいい。
歴代ウォークマンの広告。
アドミュージアムでも見た猿のCMが、こちらでは、デジタルサイネージとしてよみがえります。
5階から上は、2018年にオープンする「銀座ソニーパーク」の模型など、これからのソニーを感じる空間がひろがっています。
下北沢にある「本屋 B&B」がプロデュースする、EDIT TOKYOという新しい本屋さんのかたちも、いまなら見られます。
本屋 B&B
下北沢の本屋です。
いままでの人々がつたえてきたものを受け継ぎつつ、新しいもののかたちを考える、そんな一日でした。
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