内向的、消極的、引っ込み思案…。
そんな性格は、とかくネガティブなイメージで語られてきました。
わたしもそのひとりだから、その気持ちがよくわかります。
でも、そういった性格を直さなければ社会でやっていけないわけではありません。
むしろ、そんな性格ならではの方法で、社会とうまくやっていく。
そんなヒントを見つけられる本が、また一冊この世に生まれました。
消極性というのは、人と人のコミュニケーションの問題であったり、モノやコトに対するモチベーションであると考えて、それぞれの解決方法をさぐっていきます。
「もっと積極的になりなさい」というのではなく、「もっと消極的になりなさい」を合言葉に、消極的な人のためのデザインを考える。
消極性研究会のメンバーである5人の著者それぞれの視点で、そんなSHY HACK(シャイハック)のすすめが語られます。
消極性研究会 SIGSHY
消極性研究会 SIG SHY: Speical Interest Group on Shyness, Hesitation around You
もともと情報科学分野の研究者で立ち上げられたグループということもあってか、コンピュータやゲームの話題が中心になっています。
つくづく感じるのは、インターネットをうまく使えば、消極的な人や内向型の人でも、力を発揮できるということ。
初音ミクを代表とするニコニコ動画での盛り上がりの事例では「○○ってみた」という文化が、それぞれの得意分野を活かしながら、他人とぶつからない方法でコラボを広げる、消極的な人向きのものとして取り上げられています。
消極的な人は、他人が嫌いというわけではありません。
この本の第1章では、人間の性質を「社会が好き」「人が好き」「自分が好き」の3種類に分けて考えています。
この中で、消極的な人が多いのはどれでしょうか。
それは意外に思われるかもしれませんが「人が好き」なのだそうです。
人が好きで、個人の違いを知りたいと思うからこそ、1対1では話せるけれど、1対少数の場になると話しにくくなる。
むしろ、プレゼンや講義のような1対多数の場では、思いをつたえようと気負いすぎることなく、のびのびと話すことができる。
消極的な人にとって、インターネットは1対多数の場でもあり、ひとりひとりとコミュニケーションできる場でもあります。
わたしも名古屋シャイハック研究会を立ち上げたい…とまでの積極性はありませんが、少しずつでも、同じように悩んでいる人に解決の糸口が見つかりますように。
「凪の渡し場」は消極的な人を応援します。
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