名古屋市・豊橋市・岡崎市、それぞれの会場で開催中の、あいちトリエンナーレ。
しかし、この現代アートの祭典、実はこれら三つの市以外でも楽しめることはご存知でしょうか。
それが、「旅する展覧会」と題したモバイル・トリエンナーレ。
設楽町・大府市・一宮市・安城市を順番に旅する、小さな巡回展です。
巡回展なら、本展を見ていれば、わざわざ行く必要はない…?
いえいえ、ミニサイズだからこそ、本会場とは違った楽しみ方があります。
Pokémon Go だって、モバイル端末でリリースされたからこそ、本家のポケモンとは違う層にも広まったように。
主催者にとっては、地元の公共施設で開催することで、トリエンナーレや現代アートのことを知らなかった人にも、認知度を高めるという狙いがありそうです。
逆に参加者の立場では、それでどのような展示の差が出るのか、あるいは他の来場者の見方がどう違うのか、といった複数の視点を感じることができます。
もちろん、ついでにまちあるきも楽しめる、というおまけつき。
今回は、大府市勤労文化会館で行われたモバイル・トリエンナーレを簡単にご紹介。
最寄駅はJR共和駅。
駅前には、良い年月の経過を感じる看板が残っています。
西尾信用金庫、略して「にししん」。西尾維新みたいですね。と言いたかっただけです。
半田信用金庫は、もちろん「はんしん」。
10分ほど歩くと、大府市勤労文化会館が見えてきました。大きな赤い椅子は、もとからあったパブリックアートのようです。
入口前の広場には、名古屋市美術館(N-34)など、複数の会場で同時展開されているジョアン・モデさんのNET Project(M-14)がありました。
来場者がつないだ紐が、最終的には一つの大きなネットになります。
なつかしの第1回の草間彌生作品! …ではなく、何かのイベントで使われたカボチャのようです。ハロウィンでも姿を変えて展示とのこと。
エントランスに入ると、アドバルーンがお出迎え。と思ったら、こちらは高橋士郎さんのバルーンアート作品(M-37)だそうです。
形が定まっていない、あいちトリエンナーレ2016の九本のロゴにちなんで、三本のバルーンがゆっくりと動いています。なんだか文字組が気になる…。
くちなしホールでは、思った以上に大型の作品がゆったりと並べられていて、見ごたえがあります。
味岡伸太郎さんの、各モバイル・トリエンナーレ会場の土を採取した作品(M-01〜04)。
タロイ・ハヴィニさんの、パプアニューギニアの装身具をモチーフにした作品(M-07)。
竹川宣彰さんの、人類の歴史とセミの家系図をかけあわせた作品(M-38)。
なるへそ新聞もありました!(M-39)
控室では映像作品も上映されていました。
こちらは山村浩二さん(M-42)の作品。和室の小さなモニターで「あたま山」を見るというシュールな体験。
今後は一宮市、安城市を旅するモバイル・トリエンナーレ。
本展と同じモチーフを使った作品もたくさんあるので、あわせて見ればもっとおもしろい。
アートといっしょに旅する楽しみを見つけてみてはどうでしょう。