どこかにあったかもしれない百貨店 – 百貨店ワルツ

今日は、読んだ本のご紹介です。

 

本はこちら、マツオヒロミさんの「百貨店ワルツ」。


 

二十世紀初頭、架空のデパート「三紅百貨店」の店内を案内するという体裁のショートコミック&イラスト集。

架空とはいいながら、本当にありそうな(あったかもしれない)雰囲気が見事に描き出されています。

 

レトロモダンなフォントで彩られた空想ポスターやパンフレットなど、図版も豊富。

なつかし広告的なものが好きな人は、きっと楽しめるはず。


 

あとがきによると、名建築と言われた大丸心斎橋店の建て替えを惜しむ気持ちも込めて作られた本とのこと。

なくなってしまう場所へのノスタルジーだけでなく、もともとなかった世界へと読者を連れていく、そんな力をもった本だと感じます。

クラフト・エヴィング商會さんに近いかなあ。

 

ちなみに。

この本との出会いは、三省堂書店名古屋高島屋店

この本の「百貨店」とはずいぶんイメージが違うけれど、名古屋駅を代表する百貨店のなかにある本屋さんです。

 

名古屋駅周辺は、最近も大名古屋ビルヂングがリニューアルオープンしたりと、めまぐるしく変貌していっています。

その先駆けとも言えるJR名古屋タカシマヤの一角で、この本に巡り逢えたことも感慨深いです。

Published by mizuho

文字遣い/探索士 ——夕霧に包まれ消えゆく島の名を知る術も無し凪の私は

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