あなたがこどものころ、読んでいた雑誌はなんでしょうか?
わたしにとって思い出深いのは、小学館の学年別学習雑誌。
年号が昭和から平成に変わるころ、「小学一年生」から「小学六年生」まで6誌が揃っていたその雑誌を、自分の学年はもちろん、すこし背伸びして、ひとつ上の学年分も買ってもらった記憶があります。
いまや「小学一年生」以外は休刊してしまったことに時代の流れを感じますが、そんなこども向け雑誌の草分けのひとつ「子供之友」にまつわる企画展を見に、刈谷市美術館に行ってきました。
描かれた大正モダン・キッズ 婦人之友社『子供之友』原画展|刈谷市|刈谷市美術館
『子供之友』は婦人之友社から1914年に創刊され、大正から戦中の子どもたちに愛読されました。童話、伝記読物、漫画など多彩な内容で、北澤楽天、竹久夢二、武井武雄らの魅力的な作品が毎号誌面を飾りました。モダニズムの時代に花開いた幼年絵雑誌の軌跡を、原画150余点や同時代の雑誌などで辿り、その芸術性を紹介します。
刈谷市美術館の最寄駅はJR東海道線・名鉄三河線の刈谷駅。
駅前には、大きなポスターが掲出されていました。
駅から南へ徒歩10分ほど、まちあるきを楽しみつつ向かいます。
ちょうど6月ということで、あじさいがきれいに咲いていました。
といいつつ、刈谷市の花はカキツバタ。くるくるしたKARIYAのロゴがかわいい。
こちらのマンホールにもカキツバタが…と思ったら。消火栓が先か、点字ブロックが先か。
そんなこんなで、刈谷市美術館に着きました。
婦人之友社から、大正〜昭和の戦時中に刊行された「子供之友」誌。
その表紙や誌面を彩った原画が一堂に会していました。
今回は立ち寄れませんでしたが、この美術館には茶室が併設されており、展示にちなんだ和菓子の呈茶サービスもあります。
原画展は、時代の空気を感じるものから、猫などの動物を擬人化した童話のようなカットのように、現代にも通じるセンスのものまで色とりどり。
見開きのポスター、絵の一部が立体的に飛び出す仕掛け絵、正月付録のすごろくなど、雑誌らしい工夫もたくさん紹介されていました。
会場の解説ではじめて知ったのですが、婦人之友社は現在も存続していて、社名と同じ名前の雑誌「婦人之友」や、家族向け雑誌「かぞくのじかん」などを刊行しているとのことでした。
婦人之友社 生活を愛するあなたに
2015年に建業112周年を迎えた婦人之友社。生活を愛する気持ちとよい家庭がよい社会を作る、そんな信念のもとで雑誌作りを行っている出版社のホームページです。
「子供之友」も2017年6月現在、2冊だけ復刊されています。
この当時は原画家が雑誌のロゴも描いているのか、号によってロゴが変わるのもおもしろい。
個人的には、下のポスターで右上に写っている竹久夢二のロゴが好きです。
ちなみにこのポスターのロゴはモリサワの見出ゴMB31(この記事のタイトルと同じです)、およびカタオカデザインワークスの芯と思われます。
文字や絵、果ては雑誌までもがデジタルになっても、こどもの夢をはぐくみ、大人も楽しめる世界はきっと、いつまでも変わらずにあり続けますように。