ヒラギノ角ゴのお話をしたとき、Mac の最新OS El Capitan ではちょっとだけグレードアップしていると書きました。
実はそれだけではなく、新しい日本語フォントがいくつか追加でインストールされています。
そのうちのひとつ…いや、ふたつが今回紹介する、筑紫A丸ゴシック・B丸ゴシック。
本の表紙などでもよく見かける、使い勝手のいい丸ゴシック体です。
ヒラギノ角ゴのお話をしたとき、Mac の最新OS El Capitan ではちょっとだけグレードアップしていると書きました。
実はそれだけではなく、新しい日本語フォントがいくつか追加でインストールされています。
そのうちのひとつ…いや、ふたつが今回紹介する、筑紫A丸ゴシック・B丸ゴシック。
本の表紙などでもよく見かける、使い勝手のいい丸ゴシック体です。
さいきん、「学ぶこと」が楽しい。
もともと好きだったものを、もっと深く学んだり。
あまり知らなかったことを、新しく勉強したり。
そして、それをブログにまとめる間にも、さらに多くの気づきを得られます。
同じように、学ぶことに楽しみを見いだしている人はもちろん。
そうでない人も、ぜひ一読をおすすめしたい一冊。
完全独習版と銘打たれている通り、この一冊で独学のために必要なことが詰まっています。
本文は大きく準備編・実践編に分かれます。
準備編は、人生においてどのような「知的プラン」をたてるかという立志術にはじまり、どのように学ぶためのやる気を出すかなど、基礎テクニックを解説。
実践編は、知的生産を「読み」「考え」「書く」という3ステップにわけ、それぞれ読書術、思考術、執筆術として解説。
全部は解説できないので、それぞれ印象に残った文章を引用しておきます。
「読む」とは、本という客観(活字)とぼくらの主観(言葉)との合成物をつくること
本を読みすすめていくことで、写本のように、頭の中にもう一冊の本ができあがる。
でも、それは、もとの本とまったく同じではない。
それまでに読んだ他の本の記憶や、経験などと混ざって、自分だけの新しい一冊になる。
本を読むという行為の醍醐味が凝縮されている一文です。
文章は線である
頭の中の思考は、ときとして立体のように複雑なもの。
紙の上でそれをまとめるときは、たとえばマインドマップのように面的に表すことで、わかりやすくなります。
けれど、文章でそれを表そうと思ったときは、どうしても線型で、順序立てて語らないといけない。
だからこそ、その順序をしっかりと構成することが、文章表現の肝になります。
文章を書くことを苦手にしている人は、ぜひ、このことを頭に置いてほしいと思います。
たとえば、どうしても伝えたいことを付箋に書き出し、それを並び替えて、わかりやすい構成を組み立てます。
それがそのまま文章の柱になるので、それをさらに細かく分けて…と進めていくことで、目次が完成します。
浪費こそが、人生の価値と意味とを生産する
本書の最後のあたりに結論のように書かれているので、これだけを取り上げても理解されなさそうですが(笑)
仕事だから、必要だから考えるのではなく、考えることそれ自体を楽しむ、それが思考の浪費。
最後に、本書の来歴について。
底本は1980年の発行。パソコンも普及していない、インターネットもない時代ですが、基本的な考え方は現代でも通用します。
もちろん、デジタルツールの発達によって、情報の探索といった敷居は飛躍的に低くなりました。
2015年の文庫版あとがきでは、今の時代だからこそ、独学の条件がますます整ってきたと書かれています。
そして、独学は、けっしてひとりで学ぶことだけにとどまるものではありません。
準備編・知的交流術の章では、自分とは異なる分野の友人をつくる(知的分業)、あるいは同学の士で協力し合う(知的協業)ということが書かれています。
さらに、よき師を選ぶ、ということも。
このあたりも、現代の日本は良い環境に置かれています。
あとがきにも触れられているとおり、「街をキャンパスに」をキャッチフレーズとした特定非営利活動法人・シブヤ大学をはじめとした学びの場が全国にあります。
大ナゴヤ大学は、わたしも何度も生徒として参加しています!
ほかにも、ネットではさまざまな勉強会を探すことができます。
わたしがブログをはじめたのも、このような良き師にめぐり会えたからこそ(^^)
ぜひ、自分だけの楽しい独学のやりかたを見つけてみてください。
ヒラギノ明朝の記事を書いてから、しばらく間が空いてしまいました。
もし、楽しみにしていた方がいたらお待たせしました(^^;
今回は、ヒラギノ角ゴのご紹介。
MacやiPhoneの日本語標準フォントとして、すっかりおなじみ。
そして、2010年から、日本全国で高速道路の標識にも使われています。
もともと日本道路公団では、一文字ずつ手書きでデザインされた、いわゆる「公団ゴシック」が使われていました。
手書きなので、見やすさのために独自の省略を行っていたりして、誤字では? といわれることもあったとか。
民営化後、NEXCOによって新しいフォントの検討が行われ、採用されたのがヒラギノフォント。
より視認し易い高速道路案内標識を目指した 標識レイアウトの変更について – 道路行政セミナー2011年3月号 – 一般財団法人道路新産業開発機構(PDF)
他のフォントと比べてヒラギノが優れていると判断された点のひとつに、オブジェクト・エンハンスメントがあります。
ヒラギノ明朝にトゲがあるように、ヒラギノ角ゴは、横棒の両端がぐっと広がっています。
これによって、遠くから見たときにも文字がはっきり見える効果があるそうです。
ちなみに、公団ゴシックのほうは正式にフォント化はされなかったようで、独自にフォント作成を行っている方がおられます。
鉄道文字(すみ丸ゴシック)が、国鉄民営化後もJR東海によって使われているのとは対照的ですね。
さて、ヒラギノ角ゴに話を戻して。
Macを最新OS(El Capitan)にアップデートすると、ヒラギノ角ゴもちょっとだけグレードアップします。
まず、名前が「ヒラギノ角ゴシック」に変わります。
……。
えっ、それだけ? いやいや、もちろん、それだけではありません。
フォントには、ウェイト(W)といって文字の太さを選べる機能があります。
いままではW3とW6の二種類だったのが、ヒラギノ角ゴシックはW0からW9まで十種類のウェイトを選べるようになりました。
もっとも細いW0と、もっとも太いW9を比べると、ご覧のとおり。
同じフォントでも、ずいぶん印象が違って見えると思います。
同じ人が話していても、小声でささやくのと、大声を張り上げるのでは、印象が違うようなもの。
人に見せる資料などを作ることがあったら、ちょっとウェイトも意識してみてください。
時と場合に応じて、ウェイトを使い分けられるようになると、伝わり方も変わってきます。
なじみ深いのに奥深い、ヒラギノ角ゴのお話でした。
まちを歩いていて、空き地を見つけたとき。
ここ、前はなんだったっけ? と、思わず考え込んでしまうことはないでしょうか。
あるいは、次になにができるのだろうと、気になってしまったり。
そうやって、少しずつ記憶の地層が積み重なり、まちは変化していく。
そんなまちの記憶を、新聞という形で再現するアートプロジェクトがあります。
紙面には、まちに暮らす人々の記憶が地図のように現れます。
そして、刊行を重ねるうちに、いくつかの記事は空き地となり、また新しい記事で更新されていく。
過去なのか現在なのか、モザイクのように時間が混在した、ふしぎな新聞。
そんな「なるへそ新聞」が、今年開催される「あいちトリエンナーレ2016」の出品作品として、愛知県にやってきます。
そして、このプロジェクトは、一般参加で記者や編集者を募集中。
ということで、わたしも参加してみることにしました!
実のところ、これに参加しようかどうか、そしてそれをブログで公表しようかどうか、ひとかたならず迷いました。
一回限りのセミナーでなく、こういう大きなプロジェクトに参加するというのは、これまでにない経験。
まちの人に取材というのも、はたして自分にできるのだろうか。
3年前のわたしだったら、不安が先だって手を上げられなかったでしょう。
でも、前回のあいちトリエンナーレ以来、ひとりで鑑賞するだけでは得られない、アートの楽しみ方があることを知りました。
いろんなイベント・セミナーに参加して、とても行動力のある方に出会って、その行動力を自分も身につけたい! と思うようになりました。
なにより、説明を聞いたときに、とても楽しそう! と思ってしまったのです。
まちの記憶といった対象だったり、昔の新聞を手書き文字で再現するプロセスだったり…。
わたしのなかにある好奇心がとても刺激されたのです。
これに参加しない方が、絶対もったいない。
そして、せっかくならブログで発信してみれば、さらにおもしろさがひろがるかもしれない。
ということで、「なせば大抵なんとかなる」の精神で、チャレンジしてみようと思います。
とはいっても、やっぱり取材は不安なので(笑)
わたしの知り合いで、愛知での変わったエピソード・お仕事の経験談などをお持ちの方、ぜひご協力をお願いいたします(^^;
まちかどのさまざまなものを対象として楽しむ、路上観察。
その楽しみを、さらにひろげてくれる一冊に出会いました。
「図鑑」という名の通り、街で見かけるさまざまなものを徹底的に分類・解説。
たとえば、工事現場で見かける赤いコーン。
あれの正式名称を「パイロン」というのだとはじめて知りました。
さらに、会社によってさまざまな商品名がついているようで、その見分け方まで丁寧に図解。
「とにかく太くて、重いやつだ」とか、こどものころに読んだ図鑑のような文体も楽しい。
これまでも、いろいろな視点でまちあるきを楽しんでいたつもりでしたが、まだまだ見えていないものがあることを思い知らされました。
実際、手持ちの写真をランダムに見返してみれば、いくらでもこの図鑑にあるものが写っていることに気づきます。
たとえば、タイルのカーブがかわいくて撮った、こちらの写真。
そこには、ひっそりと埋め込まれた送水口が。
送水口とは「消防車からの放水が届きにくいところに水を送るために設置されるもの」だそう。
さらに上部には、自生したのか誰かが植えたのか、路上園芸が花を添える。
ひとつの完成されたアートのようにも見えてきます。
さらに、ずいぶん前に野良猫を追いかけて撮った、この一枚(笑)
この本を読んだあとに見ると、こんな感想を抱きます。
かなり古そうな郵便ポスト。脚の長さと差入れ口がひとつなことから、1号角形らしいと推測。
(ちなみに郵便局の看板がオレンジなので、民営化後の「郵便局株式会社」時代のもの)
自販機が茶色いのは景観配慮型? 左右にある回収ボックスが兄妹みたいでかわいい。
「保険調剤」の看板手前の街灯がレトロでおしゃれ。
そのうしろに置かれた水色ののぼりベース、半球型でこれもかわいい。
いちばん奥、「止まれ」の標識が側溝側にカーブしていて、車のじゃまにならないようにしているっぽい。
あと、いちばん大きな「薬局」の看板がPOP体…というのは、この本を読む前から気になるところですね(^^;
もちろん、この本に載っていないものでも、気になるものがあれば自分なりの視点で観察してみるのが良いと思います。
それを習慣にすることで、カラーバス効果で、似たものがますます目につくようになり、さらに深く知ることができる。
そうやって、世の中の楽しみ方が無限にひろがっていきます。
6月11日には、著者の三土さんと寄稿者による出版記念のスライドトークも開催されるそうで、こちらも気になります。