文字を楽しむデザインジャーナル『Typography』(タイポグラフィ)の新刊、Issue 09 が5月に発売されました。
年2回の刊行で、はやくも創刊5年目。毎回、文字やフォントにまつわる知識を楽しく学ぶことができます。
今回の特集は「美しい本と組版」。
本とは切っても切れない関係にある文字。
そして、本文や章立て、図表などを読みやすくレイアウトするのが組版とよばれる技術です。
さまざまな雑誌や書籍を実例に、どう美しくて読みやすい本がつくられているかが解説されています。
新潮社や岩波書店といった出版社の組版ルールが公開されているのもおもしろい。岩波新書はヒラギノ明朝を使っているのですね。
本文は、著者の意図が読み手に正しく伝わることがもっとも大切。
なので、このようなルールは本来、読者が意識することはありません。
意識せずに読める本をつくりあげる、そんなプロの仕事に敬意を表します。
ちなみに、ブログやメールなどの文章では、またルールが少し違います。
たとえば、行頭の字下げ。
字下げとは、このように文の最初を一文字空けること。
この特集によると、字下げのメリットは、段落の変わり目がはっきりすること。字下げがないと、たまたま前の行で文が終わっていたとき、段落が変わっているのか、続いているのかわかりにくくなります。
著者の意図を正確に伝えるために、字下げを行うのが無難だといわれています。
ウェブ上では、ニュースサイトによっては字下げをしているところもあるようですが、ブログでは字下げをしないことが多いようです。
そのかわり、段落の変わり目は行間を空けるのが一般的だという印象。
このサイトでも、字下げなし・段落の変わり目は行間を空けるというルールにしています。
どちらにしても、読みやすさを考えたうえで、しっくりくるルールで統一すれば良いのではと思います。
もうひとつだけ、こちらはぜひ意識してほしいルールがあります。
それは、半角と全角の混在を避けること。
「2016年5月15日」のように、月だけが全角で、ほかは半角数字になっていたり。
「Typography」のように、大文字だけが全角で、ほかは半角アルファベットだったり。
フォントによっては、とても不揃いに見えてしまいます。
わたしはATOKを使っているので、最初から変換候補に半角数字だけが出てくるようにしています。
どうしてもうっかりミスは起こり得るので、ツールで防ぐというのもひとつの手。
そんな日常に役立つヒントも得られる、Typography誌のご紹介でした。
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