一人で旅する、瀬戸内国際芸術祭の楽しみ方【回想編】

いよいよ瀬戸内国際芸術祭の夏会期がはじまりました。

既に現地を訪れた人もおられると思います。でも、芸術祭は行って終わりではありません。

むしろ、祭りのあとをどう楽しむか、そのために現地で気をつけたいことを今回はお話しします。

 

回想するネタを集める

アート作品や案内所で渡されるパンフレット、あなたはどうしていますか?

わたしは、その場で目を通す時間がある・ないにかかわらず、なるべくもらうようにしています。

 

人の記憶はあいまいなものだけれど、記録は確実に残るもの。

あとで回想するときに、情報はなるべく多いほうが良いです。

 

ガイドブックには載っていないけれど、おもしろいイベントが見つかることもあるので、フェリーの待ち時間にでも目を通しておくと良いです。

ホテルに着いてからでも良いですが、そこで気づいてももう遅い…と、悔しい思いをしたことが何度があるので(笑)

 

気に入ったお店や商品も同じ。その場で買えなくても、ショップカードをもらうか、お店の方の許可を得て写真に残しておきましょう。

通販で手に入れることができたり、思いもかけない身近に店舗があったりすることも。

 

また、現地の本屋さんには、芸術祭に関連してさまざまな本や雑誌が並んでいます。高松なら、宮脇書店さんにぜひ寄ってみましょう。

多少荷物が重くなっても、いましか買えない! と思って、気になった本はなるべく購入しましょう。

 

回想を共有する

そして、芸術祭に行った感想をぜひ、まわりの人に共有しましょう。

 

気になったアート作品の話題はもちろん、印象に残った島の風景や街のこと。

お土産に瀬戸芸グッズを配ったり、マスキングテープを身の回りに貼ってみたりするのも、アピールになるかも(^^;

それは、あなただけの視点で語られる、もうひとつの「瀬戸内国際芸術祭」。

 

そうして、まわりにひとりでも瀬戸芸に興味をもつ人を増やしていきましょう。


 

セミナーと懇親会の効用 – 復習するは我にあり

セミナー、あるいは勉強会・研究会などの名前だったりしますが、世の中にはさまざまな学びの場があります。

せっかくそのような場に参加するのであれば、学んだことを少しでも多く覚えて、役立たせたいもの。
そこで今回は、その視点から、セミナー後に開かれる懇親会の効用を考えます。

 

多くのセミナーの申し込み画面で、終了後の懇親会に「参加する」・「参加しない」の選択を迫られます。

内向型の人は、もうここで悩んでしまいます。

懇親会というのは、セミナーにあまり参加したことが無い場合、ハードルが高いものに感じられます。
参加者一覧がわからないシステムの場合、知り合いがいないかもしれないとよけい不安になります。

むしろ、それを逆手にとって、知り合いを増やすきっかけにするという考え方もあります。

人見知りの処世術〜勉強会に初めて参加する前に知っておきたい4つのポイント〜

 

といいつつ、ここではまた別の視点を取り入れてみます。

それは、懇親会を、いわばそのセミナーの復習だと思うことです。

人間というのは、一度にたくさんのことを学んでも、どうしても時間が経てば忘れてしまうもの。
時間をおいて復習することで、その記憶を定着させることができます。

懇親会の場では、主催や講師の方も、自分といっしょに学んだ仲間もいます。

普通の飲み会とは違い、やはり当日に学んだことが話題の中心になることが多いでしょう。

つまり、自然にセミナーの復習ができてしまうという効用があるのです。

内向型であれば、無理に自分から話そうとしなくても、相手の話を引き出すことに徹しようと思っても良いと思います。
その意味で、セミナーから帰ったら、すぐ学んだことを実践したい! ひとりでできる! という方は、懇親会に出る必要性は薄いかもしれません。

けれど、自分だけでなく、複数の視点で復習できるというのも、懇親会の大きなメリットだと感じます。

実際にわたしの体験では、他の参加者の会話から、自分がうっかり聞きそびれてしまったことを拾い出せることがあります。
あるいは、講師の方からも、話しそびれてしまったこと、セミナーという形では言いにくい裏話的なことも聞けたりします。

そういう場がうまく形成されているセミナーであれば、やはり参加して良かったと思うし、続けて参加したくなります。
名古屋ライフハック研究会は、その点でオススメです。

 

もちろん、懇親会で飲み過ぎて、次の日になったら話の内容をすっかり忘れている…ということのないようにご用心(笑)

そもそも一日経ったら、さらに多くのことを忘れてしまいます。

そこからまた学んだことを復習し、ひとつでも活かせるようになるかどうかは、自分自身の心がけ次第です。

一人で旅する、瀬戸内国際芸術祭の楽しみ方【現地編】

瀬戸内国際芸術祭への一人旅を応援する連載記事、第二回。今回はいよいよ現地での楽しみ方です。

いざ、瀬戸内の島へ

まずは、お住まいの街から瀬戸内まで。遠方からは飛行機で、比較的近くなら電車か高速バス、もしくは自家用車で岡山か高松まで行くことになるかと思います。

また、関西にお住まいの方におすすめしたいのは、神戸から小豆島・高松港を結ぶジャンボフェリー
三時間〜四時間かかりますが、そのぶん瀬戸内の船旅を満喫できます。船の中でうどんも食べられます!

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宇野港や高松港からは、船でそれぞれの島へ。前回も書いたとおり、増便や欠航がないか、必ず確認を。

大きな荷物は、コインロッカーか手荷物預かり場を活用しましょう。

 

とにかく、出逢った人にあいさつを!

スタッフの方、同じように一人旅をしている方、地元の方、とにかく出逢ったらあいさつをしましょう。
地元の人も、あたたかく出迎えてくれる方が多いです。

もちろん、マナーを守って。
もともとは島の外から人が来ることも少なかった、普通のまちなみ。
そこにアートという視点が入ってきたことで、戸惑いもあるでしょう。

でも、その違和感がきっと、今の日本で芸術祭を開催する意味のひとつ。

アートというものがなければ、きっと出逢わなかったかもしれない人たち。

そんな不思議な巡り合わせに、感謝を込めて。

 

自分だけの時間を楽しもう

一人旅の最大の利点は、同行人を気にすることなく、自分の好きなペースで行動できること。
最初は予定を詰め込みすぎてしまいがちですが、ちょっと疲れたと思ったら、無理せず休みましょう。

人混みを避けて、一人になれる場所を見つけたら、それだけで、どんなアートより価値があると思います。
大小さまざまの島が織りなす、瀬戸内海の風景。その中に今自分がいるのだと感じること。

自分だけの時間、凪のとき。

きっと、大事な宝物になることでしょう。

 

おまけ。瀬戸内には、ねこもいっぱいいます! その話はまた、別の記事にでも(^^;
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一人で旅する、瀬戸内国際芸術祭の楽しみ方【準備編】

瀬戸内国際芸術祭の夏会期がまもなく来週、2016年7月18日(月)からはじまります。

そこで、芸術祭を一人で旅するための楽しみ方を、過去の経験からご紹介します。まずは準備編から。

公式ガイドブックで行きたい島を決める

もしまだ購入していなければ、公式ガイドブックを今すぐ購入しましょう。
公式グッズ | 瀬戸内国際芸術祭 2016

それ以上に重要なのが、島の間を移動する船の時刻表と、島内バスの時刻表。

一日で多くの作品を見てまわりたくても、陸続きでない島を渡るには、どうしても時間がかかります。

大勢であれば海上タクシーやチャーター船という手もありますが、いずれも一万円以上。一人では予算的に厳しいと思いますので、事前に船の時刻を調べて、無理のない予定を立てることが大事。

船の区分にはフェリーと高速船があり、高速船は定員が少なく、混雑時には乗れないこともあります。
フェリーなら一人であればまず乗れないことはないですが、所要時間が長くなるので、フェリーを使うことがあっても余裕ができる予定を立てておくと安心です。

多客時には増便されることもあるので、現地に着いたら船乗り場で確認しておきましょう。

 

泊まる場所を決める

遠方から訪れるのであれば、せっかくなので泊まりがけで芸術祭を楽しみましょう。ガイドブックにも宿泊情報は載っていますが、わたしはいつもネット上の宿泊サイトを利用しています。

瀬戸内は、まだ他の地域に比べて一人で泊まれる旅館が多い印象ですが、会期中はなるべく早めに予約しておきたいところ。

せっかくなら島に泊まりたいという心情は理解できますが、何かあったときの安心感を考えると、高松を拠点にするのがおすすめです。

荒天時に船が欠航して泊まる島にたどり着けないという可能性もあります。
本州にお住まいの方で、瀬戸大橋が通行止めになることまで考えるなら、岡山県の宇野ですね(^^;

あとは、小豆島であれば旅館やホテルも多いです。土庄港・土庄本町あたりは本屋やスーパーなどもあって、島というイメージを覆すほど設備が整っています。

直島のベネッセハウスも候補としてはありますが、おひとりさまだと、とんでもないお値段なので…。いつか一人旅以外で泊まってみたい! という野望に協力してくれる人募集中です(笑)

ベネッセアートサイト直島

持っていきたいもの

行くことが決まったら、持ち物を準備します。
一人旅で必要なものをまとめているサイトはいろいろあるので、瀬戸芸ならではのものを中心に。

    • 公式ガイドブック
    • 芸術祭パスポート(事前に購入した場合)

時間があれば、現地で最初に買っても良いです。紛失に備えて、名前を記入しておきましょう。

    • パスポートケース

首から提げられるので、なにかと便利です。各港にある公式ショップで売っています。前回・前々回に買ったものがあれば、年度は違うのを気にしなければ使い回せます(笑)

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    • 旅行の予定や宿泊場所の地図・連絡先をプリントしたもの

スマートフォンなどに入れておくのも良いですが、島旅という性質上、電波がつながらない、海に落とすなどの危険性を考えたいところです。電波が弱いとバッテリーも消費しやすいので、決まっている予定であれば紙で用意しておくと安心。場所がわからなくなったときに、人に訊きやすいというのもあります。

    • クリアファイル

上記の持っていく紙を入れるだけでなく、現地でもらったチラシなどをまとめるのに重宝します。複数に分けて入れられるタイプのものだと、整理しやすいです。

熱中症防止のために、飲み物を持っていくだけでなく、塩分補給のできるタイプの飴やタブレットを常備しておきましょう。

いつも服用している薬がある人はもちろん、船酔いしそうな人は、酔い止め薬も。これも水なしで飲めるタイプが便利です。

 

準備編だけで長くなってしまったので、今回はここまで。現地編に続きます!


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よりみちしてみないと、正しい道はわからない

限られた時間の中で、寄り道をすることなく、まっすぐに正しい道を歩いていきたい。

そんな考え方もあると思います。

けれど、人生の中で、正しい道というのがはっきり見えているとは限りません。
寄り道をして、それがたとえ行き止まりや回り道だったとしても、それがわかったことで、進むべき道がはっきりする。

それなら、それはけっして無駄なことではないと思います。

逆に、ちょっと息抜きにと寄り道したことが、あとあと大きな意味をもってきて、実はそれが正しい道につながっていた…ということもあります。

 

人生を、自分だけの物語だとするなら、それは「伏線」とよびます。

 

思い切って参加してみたセミナーで、思わぬ知り合いに会って、別の一面を垣間見たり。

今まで興味がないと思っていたことが、やってみたら案外面白くて、自分に向いているかも、と思ったり。

 

振り返ってみると、長いようでいて短い人生、まだやったことのないこと、行ったことのないところがたくさんあります。
それらの中に、この先、新たな物語の伏線が隠れているかもしれないと思うと、なんだかわくわくしてきます。

そう思えば、寄り道も悪くないものです。