【祝】西尾維新デジタルプロジェクト・戯言シリーズアニメプロジェクト – 西尾作品をフォントで紹介してみる

人気作家・西尾維新の全シリーズの電子化が発表されました。

さらに、デビュー作の戯言シリーズもついにアニメ化決定。

 

「京都の二十歳」というキャッチフレーズもなつかしい、デビュー以来ずっと小説で追いかけてきたファンとしては、期待半分・不安半分といったところ。

化物語がアニメ化されるまでは、あの特異な文体とストーリーはアニメ化できないと思っていた原作読者は少なくなかったはず。

しかし、小説の持ち味を生かした独特の文字演出によって違和感を帳消しにするという発想の転換には驚きました。

 

今回は、主にそんなフォントにまつわる観点で、西尾作品を紹介していきます。

 

まずは、その記念碑的アニメ化を果たした〈物語〉シリーズ



原作小説、およびアニメのタイトルロゴは、宋朝体に斜体をかけたフォントが使われています。
宋朝体というのは、明朝体よりももっと前、宋の時代の木版印刷をもとにしたフォントで、ちょっと楷書の雰囲気があります。

吸血鬼や怪異といったファンタジー要素がありつつも、キャラクターどうしの雑談が楽しい、普遍的な学園生活・青春を描いた作品だということがうかがえます。

また、アニメ作中の字幕では「HG明朝B」が使われていることが明示されています。

放映当時、なにかのスタッフインタビューで読んだところによると、原作小説の講談社BOXが同じく本文使用書体を明示していることへのリスペクトだそうな。

 

このHG明朝、実は、Windowsに搭載されている「MS明朝」や「MSゴシック」と同じく、リコーが開発したフォントなんですね。

 

 

ふしぎなことに、劇場版の「傷物語」でだけ、原作と同じフォントワークスの筑紫明朝が使われているみたいなのですよね。

筑紫明朝はそのうち別途取り上げる予定ですが、文字のメリハリがついていてとても引き締まった印象を持つフォント。

 

予算の違いか、劇場の大画面での見栄えを想定したのか、はたして。

 

 

次はドラマ化もされた「掟上今日子の備忘録」にはじまる〈忘却探偵〉シリーズ



と、そのフォントを調べようとしたら、既に書かれているブログを見つけました(笑)

掟上今日子の備忘録のロゴはあの超有名フォントだった話 | YLCL -ユリクリ-

でも、他の人が同じこと書いてたとしても、わたしの視点で紹介してほしいと尊敬する後輩に言われたので、このまま進めます(^^;

 

原作小説やドラマのタイトルロゴは、やはりリコーの「HG明朝L」、または「MS明朝」。

ドラマ公式サイトの文章はWebフォントではなくて画像化されているのが残念ですが、モリサワの「リュウミン」が使われているように見えます。

作中の字幕や小物に使われているフォントは「リュウミン」か「小塚明朝」か迷うところ。

推理作家・須永昼兵衛の著作99冊、もっと高い解像度で全部表紙を見たい(笑)

Blu-rayの特典に…ないかな。

いずれにしても、西尾作品の中ではもっともオーソドックスなつくりで楽しめる作品になっているので、フォントもとても端正なもの。

 

 

そして、戯言シリーズのスピンオフシリーズのひとつ、人類最強の請負人・哀川潤が活躍する〈最強〉シリーズ


タイトルロゴはとても角の切れ味が鋭い明朝体で、ちょっとまだ何のフォントかわかりません。既製フォントを加工したものかも?

さておき、今回の各種発表もされたこちらの公式サイトでは、光朝フォントが印象的に使われています。

purelove

(説明のためスクリーンショットを引用します)

光朝はデザイナーの田中一光さんの文字をもとにしたフォントで、非常に横棒が細いのが特徴。
その横棒がアニメーションで点滅しつつスクロールする、潤さんにも負けず劣らず力強いデザインです。

 

 

ほかにも、まだまだ西尾作品には印象的なフォントを使ったタイトルがあるのですが、長くなったのでこのくらいで。

今回紹介した明朝体ベースのものだけでも、実にバリエーション豊かだということがおわかりいただけたかと思います。

小説の中身も同じく、どれをとっても個性的で刺激的。

 

電子化を機に、もっといろんな作品に触れる方が増えることを願います!

既製フォントの枠にとらわれない、路上の文字観察 – タイポさんぽ

世の中には、路上観察趣味というものがあります。

建築・土木のような大きなものから、看板や標識、マンホールのふたといった小さなものまで、およそ路上にあるあらゆるものを観察対象とすることで、ふつうに街を歩いている以上の楽しみが生まれる。

わたしが小さいころに、はじめてその楽しみを教えてくれたのは宝島社の「VOW!」(まちのヘンなもの大カタログ)。

もっと遡れば、やはり赤瀬川原平さんの「路上観察学入門」や「超芸術トマソン」に行き当たります。

そして今回は、その流れを汲んだ、街中の文字(タイポグラフィ)を楽しむ一冊をご紹介。



これまでブログで主に紹介してきたのは、コンピュータ上で使える、いわゆる既製のフォント。

でも、この本では、まだそのようなフォントが普及するちょっと前、手書きや看板職人さんの手触りが感じられるような文字を中心にしています。

 

 

VOWにしても赤瀬川さんの本にしても、面白いのは題材だけでなく、それを取り上げた著者の視点だと思っています。

その点では、この本もそれにまったく負けていない。

もともとグラフィックデザイナーであるという著者・藤本さんは、まちかどの文字を作り手を「詠み人」と称し、どういう意図をもってロゴをデザインしたのかを深読みしていきます。

 

もはや、風流まで感じさせます。

 

その文体の魅力を感じてでしょう、嬉しいことに、ふつうは本文を立ち読みしないと読めないその文章が、表紙(カバー)にもデザインされています。

画像を拡大すれば何とか読め…読め…ないですね、この解像度では(笑)

Amazonのリンク先では表紙や本文の大きいイメージもあるので、気になる方は覗いてみてください。

 

実はこの本、2012年に出版された本の増補改訂版。

旧版ももっていましたが、判型も大きくなっているので迷わず買い直しました。

 

ちなみにこの本、写真に写っているお店の電話番号やナンバープレートなどの数字が、加工して「0000」にされているのですよね。

そういう芸が細かいところも含めて、とても好きな一冊。

 

わたしも街で見かけた気になる文字をよく写真に撮っているので、文体は真似できないけれど、少しずつ上げていきたいと思います。

たとえばこんな感じでしょうか。

 

本書でも、いじられやすい文字としてあげられていた歯医者さんの「」の字。
横棒の片方だけが丸くなっているのは歯ブラシの柄をイメージしているのでしょうか。
あっ、あと、「FAMILLE」なのにファミールじゃなくてハミールなのは、まさか「歯見ーる」っていう…。

 

もうひとつ。

」の字の中が肉球になっていて、とてつもなくかわいいので、もうそれだけでご紹介(笑)

 

ということで、路上の文字を楽しむタイポさんぽでした。

無料で学べるオンライン大学講座 gacco を試す

勉強会やセミナーなど、社会人になっても学びの場が広がっています。

そもそも、このブログも、とある勉強会に参加したことをきっかけにはじめたのですが、それはまたの機会に…
(あれっ、なんだか最初の記事でも同じことを書いたような?)
それはそうと、今回はWeb上で学べるオンライン大学講座というサービスを見つけたので試してみました。

このようなオンライン学習システムを「ムーク(MOOC)」とよぶそうで、NTTドコモや東京大学などの産学協同でつくられたようです。

MOOCの広がりと登録者12万人のgaccoの取り組み | JAGAT

 

まずは、メールアドレスかFacebookやGoogleアカウントで新規会員登録。

入会すると、自動的に「gaccoスタートアップガイド」という講座が登録されます。

gaccoぐらしのはじまりです。

 

このようにテキストや動画で講義を受けることができます。

さらに、その後一部の講座では、有料で対面授業を受けることができます。

自宅でひとりで授業を聞いて、外でそれを深める。
いままでの学校での学び方とは時間と空間の使い方が逆なので「反転学習」というそうです。

 

講義のあとは理解度チェックのためのクイズ(選択問題)とレポートの提出。

なんと、このレポートは受講者同士が互いに採点する仕組みだそうです!

ちゃんと採点基準は示されているのですが、他人の解答を採点するというのは、大学のころの模試採点のバイト以来で、ちょっと緊張します(笑)

 

直近の開講講座は以下のようなものがあります。

  • 統計学Ⅰ:データ分析の基礎
  • 会計プロフェッショナル入門
  • 人体ソムリエへの道
  • ビジネスプランを作ってみよう
  • 基礎から学ぶITリテラシー
  • 今だからこその江戸美術
  • TOEIC®テスト600点突破
  • よくわかる!iPS細胞
  • 大航海時代の日本<高校生向け特別版>

 

一定期間を過ぎると受付終了し、受講することはできなくなるようです。
過去の講座を見ると面白そうなものがいろいろあるので、ちょっと残念。

気になるものを見つけたら、早めに受講を検討したほうが良さそうです。

 
学びかたの幅が広がりそうなgaccoのご紹介でした。

刺激に敏感すぎる自分に振り回されずに生きる方法

内向型人間は、刺激に対して敏感な気質をもっている。

このような人を、HSP=「Highly Sensitive Person」とよぶそうです。
自分がHSPだとしたら、どうすれば良いのか。

そんなことをぼんやり思って本屋さんに行き、本棚を眺めていたら、こんな本を見つけました。

 

読んでいると、HSPは日本の医学界では認められていないとか、超能力的な力をもつ人もいるとか書かれていて、おおっ…と思ってしまうところもあるのですが (^^;
(理系なので、そういう科学的でないことを言われると引いてしまうのです。です)

 

でも、刺激に敏感なことで生きづらさをおぼえているときの対症療法として、とても参考になると思ったのでご紹介します。

 
まず何よりも大事なのは、自分を知るということ。知ろうとすること。

ひとくちに内向型人間、HSPといっても、もちろんその程度はさまざま。
本に書かれているチェックリストを自分に照らし合わせてみても、○がつくものもあれば、そうでないものもあります。

以前『内向型人間のすごい力』から引用したチェックリストは、たまたまわたしが○をつけたものをピックアップしたので、また違ったタイプの内向型人間の方もいると思います。

 

したがって、自分個人の特徴、傾向をしっかり知る、そうして、自分に合った対処法をみつけていくのが大切です。

 

そのために活用したいのが、ふりかえり

わたしは、コボリジュンコさんのワークショップに参加したことをきっかけに、100年日記というものをつけています。

名言コツコツ

この100年日記で、毎日のなかで幸せだと感じたこと、失敗から学んだことを書きとめておくということをしています。

 

たとえば、人混みの中で疲れてしまったこと。

たとえば、季節の変わり目に体調を崩しやすいこと。

 

読み返すことで、自分がどんな刺激に弱いのか、どうすれば良いのかが見えてきます。

 

また、「幸せだと感じたこと」を書きとめることも、どうしても辛いことがあって落ち込んだときに、気持ちを切り替えるきっかけになります。

 

『「敏感すぎる自分」を好きになれる本』のなかでは、プラス思考ではなくて、プラス感情を大事にする、と書かれています。

落ち込んだときに、とくに考えすぎてしまう内向型人間にとっては、無理に思考を変えるよりも、感情を上向かせるほうが楽になれそう。

 

 

ほかにも、いろいろなふりかえりの手法があるので、それこそ自分に合った方法を見つけてみてください。

そして、刺激に敏感すぎる自分でも大丈夫、と言えるようになれますように。

古くて新しい、まちの魅力に出会う – 愛知・名古屋の近代建築

ゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしょうか。

愛知・名古屋では現在、近代建築に関する企画展示・イベントがいくつか行われています。

 

半田赤レンガ建物・創建時のレンガ展

 

まずは名古屋からは少し遠いですが、半田市にある赤レンガ建物。
名鉄河和線の住吉町駅から東に徒歩5分。

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明治時代にカブトビールとよばれる地元のビール製造工場として建てられ、つい最近、常設の展示館として生まれ変わりました。
復刻されたカブトビールを楽しめるカフェなどもあります!

現在は「創建時のレンガ展」として、ノリタケの森などでも使われているレンガの歴史などを学べる特別展が開催中。

 

なごや折り紙建築

次は、文化のみち橦木館(しゅもくかん)で行われている、なごや折り紙建築。

地下鉄桜通線の高岳駅から北に徒歩で10分、あるいは地下鉄名城線の市役所駅から東に徒歩15分程度。

これは関係ないけれど、通りがかりに見つけたビル。パズルゲームみたいな非常階段の壁面がかわいい(笑)


名古屋城や官庁街の東、歴史的な建物の残る一角にある橦木館。

 

「折り紙」とはいっても、千羽鶴的なあれでは無くて、二つ折りにできる紙で、立体的に切り出したもの。

 

テレビ塔、県庁、橋など、なじみのある建築や土木が小さな紙の中に再現されていて、実物とはまた違った見ごたえがあります。

 

まちかどの近代建築写真展

最後は金山総合駅近く、名古屋都市センターで開催されている、まちかどの近代建築写真展in名古屋

 

全国で行われている「まちかどの近代建築写真展」が、このたび名古屋で初開催だそう。

有名な建築から、小さな商店・銭湯など、ともすれば見逃してしまいそうなまちかどの風景が、写真となって一同に介することの感激。

 

加美秀樹さんの講演会も聞きましたが、印象に残ったのは、「古いものでも新しいものでも、とりあえず写真におさめる」という趣旨の発言。

建物は、気づかないあいだに、なくなってしまうから。

 

たとえば、いま(2016年5月)当たり前に名古屋のまちかどで見られるコンビニのサークルKだって、もうしばらくするとなくなってしまう。

講演会の中でも触れられていた、今和次郎先生の「考現学入門」。

 

考現学というのは考古学に対比してつくられた言葉で、現在のことをひたすら収集すること。
それがいずれ、当時のことを知る貴重な史料にもなる。

だから、古い写真を見て懐かしいと思うのと、今あるものを写真におさめることは、表裏一体の行為なのかもと思います。

あるいは、自分がまったく知らない時代、明治とか昭和初期のものを、逆に新鮮な視点で楽しむということもできてしまう。

 

古くて新しい、まちの魅力に出会うゴールデンウィークはいかがでしょう。


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