自分だけの物語を見つける – ぼくらが旅に出る理由

 

宇品駅ターミナル

 

あなたは、今までどんなどころに旅行に行きましたか?
忘れられない思い出の場所、何度も訪れたくなる土地がある人も多いと思います。

わたしにも、そんな場所がいくつかあります。

 

そのうちのひとつが、広島。

 

瀬戸内海のしまなみが好きだったり、

食べ物がおいしかったり、

魅力を語ればきりがない。

 

そんな広島ですが、修学旅行で行ったこともなく、大人になるまで訪れたことがありませんでした。

 

広島=修学旅行のイメージといえば、原爆ドーム、平和学習。
でも、それは誰かから与えられた物語。

自分のものではありません。

 

大人になってから訪れてみることで、それだけではない、自分が興味のある分野とつながった、新しい「物語」が見つかることがあります。

たとえば、建築・まちづくりの観点で、広島の平和記念公園を設計した丹下健三という建築家の理念によって、原爆ドーム、慰霊碑、史料館が一直線に並ぶようにデザインされているということを知ったり。

広島駅やその周辺が、再開発で訪れるたびにその姿を変えていったり。

 

平和の大切さはもちろんだけれど、けっして時を止めたままのところばかりではない。

荒廃した街からの復興と、日常を取り戻したあと、さらに変わっていくところと変わらないところの両方を目の当たりにできることに個人的には惹かれます。

 

そこにもきっと、ひとりひとりの物語。

 
どこかに旅に出るというのは、そんな自分だけの物語を見つけるためなのかもしれません。


内向型にとって、世界は刺激に満ちている

ある人間が内向型か、外向型か。

 

それは生まれたときから、一生変わらないものなのでしょうか?

 

もちろん、こどもの頃の体験や、生活習慣によって、ある程度性格は変わるでしょうが、それでも、中心にある「気質」とされるものは、ずっと変わらない、というのが有力な説のようです。

では、内向型と外向型を分けるものはなにか。

 

それは、刺激に対する反応の高さ。

 

内向型人間は、刺激に対して高反応だからこそ、未知のものに対して慎重になったり、他人からの刺激を受け止めるのに時間がかかったりする。

外向型人間は、刺激に対して低反応なので、むしろ物怖じせずに外に出て行ったり、人と関わったりする。

 

内向型のこどもにとって、この世界はあまりにも刺激に満ちている、のかもしれません。

 

もちろん、この性質も良い方向に生かすことができます。

内向型人間は、細かい違いに敏感になることで、じっくりとものごとを調べたり分析するのに強みを発揮します。

外向型人間は反対に、直感的にすばやく行動することができるという利点があります。

 

 

正直に言うと、わたしも、すばやく行動できる人に憧れを抱いています。
でも、すばやい行動に向いている人もいれば、あまり向いていない人もいるのもたしか。

その違いを理解しつつ、必要以上に慎重になりすぎないように、行動が必要なときは行動する、という心がけが大切では、と思っています。

伝統の鉄道文字 – すみ丸ゴシック

九州地方・熊本を中心とした地震が続いています。
一日も早く、平穏な生活が戻ることをお祈りします。

 

九州には何回か旅行で訪れていますが、新しさと古さが同居した風景に惹かれます。

今回のテーマ、鉄道をとってもそれは同じ。

九州新幹線に代表される、水戸岡鋭治氏のデザインが有名ですが、もっと以前からの鉄道遺産も多く残されています。

 

たとえば、関門海峡に面し、かつて本州との玄関口として栄えた門司港レトロ地区。

その一角には、九州鉄道記念館があります。

近くには、旧「門司駅」のレール跡が。


このように駅名を示す看板を駅名標といいます。

「もじ」だけに印象に残って、以前はわたしのTwitterのアイコンにしていたりもしました。

右から左書きの筆文字が歴史を感じさせますね。

 

さすがに現役の施設で筆文字の駅名標が残されているところは少なくて、多くは手書き風の丸ゴシック体。

 

USAピョン…。

 

そんな中、丸ゴシック体とも角ゴシック体とも違う、独特のフォントに出会うことがあります。

 

これが、昭和35年(1960年)に国鉄の標準書体として指定された「すみ丸角ゴシック体」、通称すみ丸ゴシック

名前の通り、角ゴシック体を基本としながら、線の隅だけを丸くしたので「すみまる」。

フォントを統一したといっても、当然コンピュータもない時代なので、すべては手書き。
その際の書きやすさと読みやすさの両立を目指したのだと言われています。

製作した人や会社によって、微妙に異なる個性をもっています。

 

と、ここまで九州の話をしておきながら、実は東海地方にお住まいの方は、普通に接するフォントだったりします。

それは、国鉄を継承したJRグループの一つ・JR東海では、このフォントを基にした「スミ丸ゴシック体」や「JNR-L書体」を引き続き使っているから。

JR東海が運営する、東海道新幹線の駅名標も同じです。

ひらがなが大きい在来線とは違って、漢字が大きくレイアウトされているので、すこし目立ちにくいですが。
東京や京都にお住まいの人も、新幹線を使うときは意識してみると面白いかもしれません。

 

「マツコの知らない世界」では稀少フォントとして紹介された「すみ丸ゴシック」が、なぜJR東海でいまも使われているのか。

この本によると、その理由は、国鉄時代から「すみ丸ゴシック」に携わった須田寛氏が、JR東海の初代社長に就任したからとのこと。



旅客=お客様へ一貫したサービスを届けるために、文字を大切にする。
その信念が込められた、伝統の鉄道文字といっていいでしょう。

 

2027年に開業される予定のリニア中央新幹線でも、すみ丸ゴシックが引き続き使われるのか。

それとも、まったく新しいフォントに生まれ変わるのか。

 

その日が楽しみです。

内向型、恐ろしい子! – 外向型のようにふるまうとき

内向型人間の強みを語ってきましたが、それでもやはり、外向型のようにふるまわないといけないときはあります。

 

それは本の中では「自由特性理論」という名前で説明されています。

たとえば、自分にとって重要だと思っている仕事、大切な人の前では、もともとの性格を超えてふるまえるのだといいます。

たしかに、わたしも「お仕事モード」になると、内向的な性格からはだいぶ違って活動的になれたりします。

 

内向型人間でも、俳優やタレントのように人前に出る仕事をしている人はいくらでもいます。

舞台に上がったらその役になりきれる、「ガラスの仮面」の北島マヤも、ひょっとしたらこのタイプかもしれません。

まさに「内向型、恐ろしい子…!」
ところで、このときに注意しないといけないことが一つ。

 

いくら一時的に外向型のようにふるまえるといっても、内向型人間であること自体を変えることはできません。

それをずっと続けていると、疲れてしまったりします。

 

なので、回復するための時間はしっかりとらないといけない。

たとえ、自分の夢、やりたいことのために外向型のようにふるまう必要があるとしても、その時間・回数を決めておくこと。
たとえば、わたしはこんなふうに自分の中でルールを決めています。

  • セミナーや勉強会で知らない人と会う機会は、一ヶ月の中で多くても3回まで
  • ブログにかける時間は一日の中で一時間以内
  • 残りの時間は、それ以外の趣味、ひとりの時間を楽しむ

 

目標を決めたら、その通りに実行できるタイプなので、たぶんそれ以上の目標を立てても実現できると思うのですが、それをやっても、たぶんノルマのようになって楽しくなくなってしまう気がするのです。

 

無理をしすぎず、楽しく生きるために、そんな「自由特性協定」を結ぶことも、とっても大切なこと。