ひとりで働く – 内向型人間が活躍できる場所

内向型・外向型人間の話のつづき。

人間には内向型・外向型の二種類があること、それぞれに違う強みがあることをお話ししました。

 

では、実際に、どのようなときに内向型人間は力を発揮できるのか?

 

それは、「ひとりで働く」場所を作るということ。

 

学校でも、社会に出てからでも、大勢での共同作業とか、チームワークの大切さを説かれることは良くあります。

もちろん、ひとりでは達成できないことが多くあるのも事実。
でも、内向型人間にとって、共同作業そのものが力を消耗する仕事なのです。

 

たとえば、大勢の中で自分の意見が言えない。

それは、自分の意見が無いこととは違います。

 

頭の中で考えをまとめるのに時間がかかったり。

どういう言い方をすれば相手が納得するのか? と考えすぎてしまったり。

 

理由は人それぞれかもしれませんが、意見を言えない理由は多くあります。

 

口で言えないのであれば、文章にしてみれば良い。
あるいは、図に書いたり、プレゼンテーションにまとめたり。
そうやって、自分の意見をじっくりまとめるための、ひとりで働く時間をとるというのは、とても大切です。

 

でも、どうしても、ひとりで働けない場合は?

 

そういうときこそ、インターネットの出番。

「内向型人間のすごい力」でも、ソーシャルメディアの普及で内向型人間もアピールできる時代になったと書かれています。

このようにブログを書いてみたり、SNSで発信してみたり。

 

そんな「ひとりで働く」時間が生み出した成果が、そのうちに共感できる仲間を呼んだり、新しいコミュニケーションのきっかけになったりするから面白い。

 


この方は明らかに内向型だな、と思う作家(研究者)。

文化庁「常用漢字表の字体・字形に関する指針」から読み取る三つのこと

文化庁から、文化審議会国語分科会・漢字小委員会での審議をまとめた「常用漢字表の字体・字形に関する指針」が公開されました。

原文はこちら。

http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/jitai_jikei_shishin.pdf

200ページ以上ある資料ですが、半分は字形比較表ですし、その前のQ&Aだけ読んでも面白いです。

 

ざっくり言うと、大切な三つのことが書かれています。

 

1.字体と字形について

形が違うことで、違う漢字とされる文字の骨組みが「字体」。
たとえば「学」と「字」は違う字体です。

形が違っても、同じ漢字とされるのが「字形」。

そして、このような字形の違いを、漢字ごとに一定の特徴をもたせたものが「書体」。
明朝体とゴシック体といったフォントの違いが、まさにこれにあたります。

jitai_jikei

ちなみに。書体とフォントはもともと別の意味の言葉ですが、一般的には同じ意味で使っても問題ない、とQ.13の回答にあります。

なので、このサイトでも大手を振って「フォント」を書体の意味で使います(笑)

 

 

2.手書き文字と印刷文字の違い

明朝体は、手書き(楷書)とよく似ていますが、違うところがあります。
たとえば、「去」などの文字の左下は、明朝体では突き出ていますが、ふつう手書きでそうは書きません。

「入」などの文字も、フォントによっては筆押さえとよばれる字形になることがあります。

jitai_jikei_2

 

実際に、教科書ではこの違いで混乱する児童がいることから、わざわざ専用のフォント(教科書体)が使われていたりします。

 

3.手書き文字では、あまり細かい字形の違いは問わない。

コンピュータの世界では、違う字体であれば区別しなければいけない、けれど同じ漢字でも字形が違うこともある…と、既に非常にややこしいことになっています。

ですが、手書き文字においては、あまり細かいことは言わなくてもいい、ということなのだそうです。

印刷やコンピュータ上のフォントと同じ形で文字を書く意味はないし、点画をとめるかはねるか、長いか短いかまで統一することはしないというのが、本来の漢字の伝統だとされています。

Q3 多様な手書き字形を認めるのは,漢字の文化の軽視ではないか

   それぞれの漢字を手書きする際に,様々な字形を認めることは,漢字の文化をないがしろにし,壊してしまうことにつながりませんか。

A 手書き文字の字形に多様性を認めるのは,むしろ,漢字の文化に基づく考え方です。この 指針は新しい考えを示すのではなく,本来の漢字の伝統を知ってもらおうとするものです。

たしか、わたしがこどもの頃は、テストで木へんの下をはねて書いたりしたら×をつけられたと記憶しています。

しんにゅう(しんにょう)辶 も、常用漢字表では、「近」はひとつだけれど「遡」はふたつ、というように漢字によって違います。

こういうのも、ちゃんとその通りに区別して憶えたものですが、手書きでは点一つで書いても良いのだそうな。し、知らなかった…。

そもそも、点の下の書き方にしてから、印刷文字ではまっすぐですが、手書きでは曲げて書きますしね。

 

 

文字は、長い歴史の中で変化しながら受け継がれてきたもの。

大事なのは、「正しい文字」にこだわることではなく、「伝わる」かどうか。それがそもそもの文字の役割だということですね。


4月10日はフォントの日 – あさご本丸ゴシック

きょう、4月10日はフォントの日ということで、個人デザイン事務所・フロップデザインで新作フリーフォント「あさご本丸ゴシック」が公開されています。

あさご本丸ゴシック

 

竹田城のある朝来市をイメージした丸ゴシック体とのこと。
クルッとしたひらがなやカタカナが印象的で、とてもかわいいフォントです!

フロップデザインでは、フリーフォントのほか、Web制作やグラフィックデザインに使える無料素材も配布されていて、おすすめです。

低価格でのロゴデザイン制作も行っているようです。いつかお世話になることがあるかも。

ロゴデザイン制作

世の中には、二種類の人間がいる – 「内向型人間」のすごい力

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はじめに、簡単な質問をいくつか。
「はい」か「いいえ」でお答えください。

 

  • グループより1:1の会話を好む
  • 文章のほうが自分を表現しやすい
  • ひとりでいる時間を楽しめる
  • 「物静かだ」「落ち着いている」と言われる
  • 外出して活動したあとは、たとえそれが楽しい経験だったとしても、消耗したと感じる

 

 

どれくらい「はい」があったでしょうか?

「はい」のほうが多かった人は、内向型人間の可能性が高いです。
逆に「いいえ」のほうが多かった人は、外向型人間の可能性が高いことになります。

ちなみに、わたしは全部に「はい」と答えました(^^;)

 

内向型の人、ぜひこの本をお読みください。これはわたしたちのための本です!!

外向型の人も、家族や知り合いに外向型人間はきっといるはず。そういう人と自分の違いを考えながら読んでみてほしいです。


 

内向というと、引っ込み思案とか、内気といった形容をされて、あまり良くない印象を持つ人も多いと思います。

実際、わたしも子供の頃からそう言われ続けて、それは直さないといけない性格のように思いこまされてきました。

 

けれど、実は、そんなことはまったく無いのです。

 

単に、世の中には「内向型」「外向型」という性質の違う二種類の人間がいるというだけのこと。

世の中に右利き人間が多いから、いろんなものが右利き中心に作られて、左利き人間が不便に感じているように。

たまたま、いまの世の中が外向型中心社会だから、内向型にとって居心地の悪いことが多いだけのこと。

 

でも、だいじょうぶ。

内向型には内向型にしかない強みがあって、それを正しく伸ばすことで、大きな力を発揮することができます。

じっさい、内向型人間は左利き人間ほど少数派ではなく、アメリカ人の1/3〜1/2 は内向型人間だそうです。

典型的な外向型にみえるアメリカでさえそうなのだから、日本では、もっと多いかも。

 

ちなみに、内向型・外向型という言葉を生み出したのは心理学者のユングという人。

フロイトとアドラーという二人の心理学者の違いを見て、フロイトは外向型、アドラーは内向型という分類をしたと言われています。

アドラー心理学は、最近日本でも人気ですね。

今のような時代だからこそ、内向型の力はますます重要になってくるのだと思います。

 

 

たとえば、内向型が活躍できる場所はどういうところがあるか。

あるいは、どうしても外向型のように振る舞わないといけない場合は、どうしたらいいのか。

 

そういったことも、これからブログで少しずつ話していきたいと思います。


どこかにあったかもしれない百貨店 – 百貨店ワルツ

今日は、読んだ本のご紹介です。

 

本はこちら、マツオヒロミさんの「百貨店ワルツ」。


 

二十世紀初頭、架空のデパート「三紅百貨店」の店内を案内するという体裁のショートコミック&イラスト集。

架空とはいいながら、本当にありそうな(あったかもしれない)雰囲気が見事に描き出されています。

 

レトロモダンなフォントで彩られた空想ポスターやパンフレットなど、図版も豊富。

なつかし広告的なものが好きな人は、きっと楽しめるはず。


 

あとがきによると、名建築と言われた大丸心斎橋店の建て替えを惜しむ気持ちも込めて作られた本とのこと。

なくなってしまう場所へのノスタルジーだけでなく、もともとなかった世界へと読者を連れていく、そんな力をもった本だと感じます。

クラフト・エヴィング商會さんに近いかなあ。

 

ちなみに。

この本との出会いは、三省堂書店名古屋高島屋店

この本の「百貨店」とはずいぶんイメージが違うけれど、名古屋駅を代表する百貨店のなかにある本屋さんです。

 

名古屋駅周辺は、最近も大名古屋ビルヂングがリニューアルオープンしたりと、めまぐるしく変貌していっています。

その先駆けとも言えるJR名古屋タカシマヤの一角で、この本に巡り逢えたことも感慨深いです。