ブログで好きなことをアウトプットをしていると、いままで意識していなかったことにも気づくことがあります。
たとえばわたしの場合、紹介した本のなかに「図鑑」と名のつくものが多いことに気がつきました。
あらためて本棚を見渡すと、「○○図鑑」というタイトルの本は、ブログで紹介していないものも含めて十冊以上ありました。
どうやら、わたしは図鑑が好きみたいです。
たしかに、まわりにパソコンもインターネットもなかったこども時代、調べ物といえば図鑑か百科事典。
それを読めば、いろいろなことを系統立てて知ることができる、イラストや写真でビジュアル的に感じることができる。
図鑑は、わたしにとって知識の泉でした。
そしていまも、よりマイナーなジャンルに特化した「図鑑」を本屋さんで見つけると、嬉しくなってつい買ってしまう、そんな心理があるようです。
そんな気づきを得たことにより、出会った本がこちら。
旅行が好きなので、日本各地のガイド本はよくチェックしていますが、住んでいる地方ほど、あえてガイド本を買いたいという気持ちが薄くなってしまうもの。
とはいえ、タイトルに「図鑑」とついていることだし、とりあえず中身を確認してみよう…。
そう思って数ページ立ち読みしたら、驚きました。
現在復元事業が進行中の、名古屋城本丸御殿の見取り図。
天守閣にそびえる金鯱のサイズ、重量、ウロコの枚数などのカタログスペック。
トヨタの原点となった豊田自動織機の3つの特許。
名古屋にまつわるさまざまなものが、図鑑の名に恥じない詳しさで解説されていました。
もちろん、名古屋駅周辺の高層ビル、テレビ塔、科学館、名古屋港水族館などの定番スポットも図解とともに紹介されています。
地元の人なら一度は行ったことがある、けれどまだまだ知らないことばかり。
行ったことがない人も、これを読めばきっと行ってみたくなるはず。
わたしがいちばん感動したのは、味噌から派生する名古屋の食図。
大豆と塩を祖先として生まれた八丁味噌。
そこから派生した名古屋の食文化を彩る調味料・食材の数々を、家系図に見立てて見開きで紹介しています。
ちょっと筒井康隆さんの傑作「バブリング創世記」を思い出しました。
味噌煮込みうどんは八丁味噌の長男なり。
味噌煮込みうどん、コーチン一族の娘・かしわと結婚して手羽先を生めり。
味噌煮込みうどんの親友、留学生のカレーは、きしめんと結婚してカレーうどんを生む。
ほかの地方の人に、いわゆる「なごやめし」のおすすめを訊かれたとき、名物にしては幅が広すぎて、どう説明しようか困ることがありました。
この家系図さえ頭に入れておけば、もうその心配もありません。
ふだんの食卓も、万能味噌「つけてみそ かけてみそ」があるだけで、なごやめしに変身するように。
名古屋をもっと深く・濃く味わうのに、おすすめの一冊です。