慎重すぎて行動に悩むときは、シンプルな法則に従ってみる

内向型人間にとって諸刃の剣である、慎重さという特質。

失敗がゆるされないような大事な局面においては、冷静に状況を分析できる慎重さは武器になります。

 

けれども、人生は、そんな場面ばかりとはかぎりません。

どちらを選んでも結果に大差がないような、ランチのメニューやお土産品を選ぶとき。

あるいは、あるセミナーや勉強会に出席しようかどうか迷うとき。

 

慎重すぎることで迷いが生じ、無駄に時間を消費してしまったり、けっきょく行動できなかったり。

そんなことばかりくり返していては、もったいない。

 

そんなときは、こんなふうに、シンプルな法則に従ってみましょう。

 

あえて選択肢を狭めてみる

わたしがいちばん迷うのは、選択肢が多すぎて、そのどれを選んでも結果に大差がないとき。

そのときは、あえてはじめから選択肢を狭めてみることで、迷いがなくなります。

お土産なら、駅ナカのお土産売り場で、最初に店員さんに声をかけられたところで買うとか。

広島土産なら、たくさんのもみじ饅頭がある中で、にしき堂の生もみじしか選ばないとか。これはちょっと別格かもしれません(笑)。

 

 

 

習慣の力を味方にする

何事も、最初にやるときがいちばん慎重になるもの。

同じことを何度もくり返せば、そのうち抵抗も減ってきます。

一度やってみて良いと思ったら、とりあえず半年か一年続けてみる、と決めてしまえば、次からは毎回悩むことはなくなります。

 

セミナーや勉強会なら、同じ主催者のものはどんな内容であれ行ってみることを基本にします。

今回の内容は自分に合うだろうか…と事前に考えたところで、結局行ってみなければわからないもの。

連続ドラマを観たり、定期購読している雑誌を買うとき、今回はおもしろいかどうか…なんて考えてから決めたりしないのと同じです。

 

ゆかりのあるものを選ぶ

今日の日付や、自分の誕生日から、同じ番号のものを選んでみる。

前から気になっていたイベントが、ちょうど自分の誕生日にやっていたから行ってみる。

なにげない、ゆかりのあるものを選ぶことで、意外な縁はつながっていくもの。

 

シンプルな法則を頭に思い浮かべることで、少しだけ、心もちを軽くしてみましょう。

自分の資質を知り、強みを活かす – ストレングスファインダー

このブログ「凪の渡し場」では、人間を内向型と外向型に分けたとき、とくに内向型人間ならではの特質を、強みへと活かす方法を紹介しています。

大海へと漕ぎ出す羅針盤を手に入れよう – 内向型人間のための人生戦略大全

 

でも、ざっくりと内向型人間といっても、その特質、強みはひとりひとり違います。

調べてみると、もっと細かく、自分だけの資質を知る方法がいくつも見つかります。

その中のひとつが、人間の強み(才能)を34に分類した、ストレングスファインダー

 

対象書籍を購入すると、診断テストへのアクセスコードが手に入り、自分の五つの資質を明らかにすることができます。

比較的安価で診断できることもあってか、多くの方がブログでストレングスファインダーの結果を公開されています。

そのメリットは、自分の資質を知るだけでなく、他人の資質とも簡単に比較できること。

なんとなく自分と似ていると感じる人の資質が、自分とどれくらい一致しているのか知りたくなって、今回はこれを試してみました。

 

そして、わたしの結果がこちら。(本来は優先度に従って並んでいますが、あえて50音順にしています。カッコ内は意訳)

  • 学習欲(学ぶの大好き)
  • 個別化(ひとりひとりのユニークな個性に興味がある)
  • 慎重さ(用心深く油断しない)
  • 内省(考えること大好き)
  • 分析思考(データ大好き)

われながら、そしておそらく、わたしのことをよく知っている人なら、納得の結果となっています。

慎重さ」には、こんなことも書かれています。

あなたは自分のことをあまり話しません。

まさにこの資質ゆえに、あまり解説はしたくありません(笑)。

 

また、追加料金を払うことで、6位以下の資質も知ることができるようです。

ただ、わたしはいまのところ、それはやっていません。

それは「慎重さ」のためだけではありません。

ストレングスファインダーの設問や、自分と共通する資質を持った人が他にもっている資質から共感するものを分析することで、ある程度推測できるのでは? と考えたから。

これこそ「個別化」と「分析思考」のたまものと言えるのではないでしょうか。

 

たとえば、いろいろなものに好奇心をおぼえるから「収集心」は次点に上がりそう。

いろいろなものの結びつきを探したくなるので「着想」もありそうです。

あとは、知っている人とより深い関係を結びたくなる「親密性」。

逆に、「コミュニケーション」「自己確信」「司令性」は低そう。

 

このようなストレングスファインダーの結果を、リーダーシップやチームに活かすという考え方があります。

ストレングスファインダーをチームで活かす(実例ケーススタディ付き) | 今、夢に生きる

今回は、強み発見テスト・ストレングスファインダーをチームで生かす方法について。 ストレングスファインダーは、アメリカのギャラップ社が運営している「強み診断ウェブテスト」です。 テストを受けると、34個の資質のうち、自分が持っている上位5つの資質を教えてくれます。 個人でやるのも面白いんですが、チームで補完関係を考えるのに使うと、もっと面白いんです。 私を含めて3人で、 広島ぶろがー会 …

こちらでは、ストレングスファインダーの資質を実行力、影響力、人間関係構築力、戦略的思考力の四つに分けて、それらをカバーするチームが理想としています。

もういちどわたしの資質を見ると、明らかに〈戦略的思考力〉に偏っています。〈影響力〉はひとつもありません(笑)

  • 学習欲〈戦略的思考力
  • 個別化〈人間関係構築力
  • 慎重さ〈実行力
  • 内省〈戦略的思考力
  • 分析思考〈戦略的思考力

収集心、着想も〈戦略的思考力〉に分類されます。親密性は〈人間関係構築力〉。

どうも、いわゆる内向型人間の強みは〈戦略的思考力〉に、外向型人間の強みは〈影響力〉に強く現れるようです。

なぜか〈実行力〉に分類されている慎重さも、内向型人間の典型的な強みですが、これは活かし方次第、と解釈しています。

わたしはいままで、慎重さと内省の結びつきが強すぎて、ほかの強みを活かせなかったことも多いので、慎重になりすぎないことも大事。

「やらない理由」を考えすぎてしまう人に贈る言葉

影響力はどうしようもないので、影響力の資質を持った誰かの力を借りることも重要かな、と思います。

 

個別化」の資質を別の言葉であらわすと、「みんなちがって、みんないい」。

 

自分だけの強みを見つけること。

自分自身の、そして誰かの強みを組み合わせること。

それが、人生をもっと楽しく豊かにします。

 

 

「やらない理由」を考えすぎてしまう人に贈る言葉

内向型人間がもつ特徴のひとつに「慎重さ」があります。

 

何かをするときに、まずよく調べてから行動したり、なにも考えずに発言することがなかったり。

それは強みでもあり、弱みにもなる、いわば諸刃の剣。

慎重であることは、リスクを避けようとする気持ちのあらわれですが、同時にチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。

 

わたし自身、新しいことをはじめる前や、誰かに声をかけようとする前は、慎重さが不安に変わり、考えすぎてしまうことがよくあります。

そんなときは、「やる理由」よりも「やらない理由」を多く見つけ出そうとしてしまいがち。

その両方を天秤にかけて、やっぱりやらないほうがいい…と、無理やり自分を安心させようとしてしまう。

 

でも、やったほうがいい、やらないほうがいいなんて、やってみないとわからないことも多いもの。

客観的な分析が得意なぶん、ほんとうは不確実な要素を「やらない理由」に数えあげてしまう、見せかけの分析をしてしまう危険があります。

 

そんなときに、思い出したい言葉があります。

 

戯言シリーズ、最強シリーズなどをはじめとする、西尾維新さんの小説に登場するキャラクター、哀川潤はこう言います。(正確には、彼女がある人物から贈られた言葉として語ったもの)

「嫌なことは嫌々やれ。好きなことは好きにやれ」

哀川潤(西尾維新「零崎軋識の人間ノック」講談社文庫刊)

この言葉から、どんなことを感じるかは人それぞれでしょうが、嫌なことでも、嫌々でもやるというところが今回のポイント。

好きなことしかやってないように見える潤さんが語るからこそ、この言葉の面白みは出てくるのですが、その話はまたの機会として。

 

あるいは、米澤穂信さんの「氷菓」をはじめとする古典部シリーズの主人公に言わせるなら、こうでしょうか。

「やらなくてもいいことなら、やらない。やるべきことなら手短に、だ」

折木奉太郎(米澤穂信「氷菓」角川文庫刊)

 

これもまた、彼なりの省エネ思想の言葉なのですが、こういうふうにとらえることもできます。

やるかやらないかの判断基準として、やりたいかどうかではなく、やるべきかどうかだけを考える。

 

やりたくないことを嫌々やるか、手短にやるかはともかくとして。

「やらない理由」を探し出していることを自覚したら、いったんこんなふうに視点を変えてみると、不安にとらわれることなく、前に進むことができるかもしれません。

 

 

好きのきもちのキャッチボール

あなたには、好きなこと、偏愛しているものがあるでしょうか。

そしてそれを、他人に公言できるでしょうか。

 

とりわけ内向型人間にとっては、自分の「好き」をはっきり口に出すことに、ためらうことも多いでしょう。

 

自身の好きなことが、相手に受け入れられなかったらどうしよう。

他人と違った趣味、嗜好をもっていることで、変に思われないだろうか。

 

そうやって考えすぎてしまったり。

 

あるいは、自分の好きなことなのだから、他人に理解してもらわなくてもかまわない。

そういう考え方も、いいと思います。

 

でも。

 

自分がなにかを好きだと公言することで、そのことばに共感してくれる人がいたり。

いつのまにか、興味や関心の近い人が、まわりに集まってきたり。

そうやって、ひとりだけでは見えなかった、新しい世界が広がっていくこともあります。

 

それはまるで、好きというきもちをことばに載せた、キャッチボールのようなもの。

 

キャッチボールというのは、考えてみればふしぎなことばです。

現象としては、ふたり、あるいはそれ以上でのボールの投げあい。

だから、最初は必ず、誰かがボールを投げるところからはじまります。

けれど、視点はあくまで投げ手(ピッチャー)ではなく、受け手(キャッチャー)にあります。

 

ピッチボールではなく、キャッチボールである理由。

それは、お互い、相手がちゃんと受けとめられるように、ということを考えてボールを投げるからかもしれません。

 

わたしの好きなきもち。

それは、相手にちゃんと届くだろうか。届いたらいいな。

不安と期待が入り混じりながら、それでも思い切ってことばに出してみましょう。

 

あなたの好きなきもち。

わたしの世界を、もっともっと広げてくれるかもしれないもの。

自分とは違う視点をもっていても、しっかりと受けとめましょう。

 

大海へと漕ぎ出す羅針盤を手に入れよう – 内向型人間のための人生戦略大全

内気、引っ込み思案と言われ、生きづらさを感じることも多い内向型人間。

そんな人の手助けとなる本を、また一冊見つけたのでご紹介します。

 

その書名のとおり、プライベートでの人間関係、パートナーの探し方から、職場での働き方、対人交渉のコツなど、人生のさまざまなシーンにおける内向型人間ならではの悩みの解決方法が解説されています。

 

もちろん、ひとくちに内向型人間といっても、その度合や傾向はさまざま。

第一部では、まずチェックリストを使って、自分は誰か、どのような強み・弱みがあるかを知ることができます。

この本では「内向型」と「外向型」を、一本の直線の両端にある二点だ、と表現しています。(数学的に正しくは「線分」だと思うのですが…というのはともかく)

その直線(線分)のどこかに、わたしたちはひとりひとり、ここちよいと感じる範囲・快適ゾーンをもっていて、そのなかに生きているのだと。

そうやって自分の立ち位置を把握したあと、典型的な内向型人間の強み・弱みが紹介され、自分にあてはまるものを選んでいきます。

そして第二部では、それをどう人生の中で活かすことができるか? を考えていくことになります。

 

わたしの場合、かなり極端な「内向型」の側に寄っているために、生活の中で不都合を感じることもしばしばでした。

けれど、内向型にしては、新しいことへの好奇心や探求心は強いほうというのが特徴。

そこで、内向型ならではの分析力という強みと組み合わせ、新しい視点をどんどん取り入れつつ、その情報を整理・分析して問題解決にあたるのが人生戦略として有効ということがわかります。

実は、それこそが、このブログが目指すところ。二つ名である「探索士」というのも、そんな自己分析の結果だったりします。

 

人生というのが、大海にたったひとりで船を漕ぎ出すようなものだとしたら。

その航海には、方角を指し示す羅針盤が必要。この本を読むことで、それを手に入れることができると言えそうです。

 

もうひとつ大事なことは、羅針盤で方角がわかったからといって、けっして全員が同じ場所に進まなければならないわけではないということ。

漕ぎ出す海ですら、快適ゾーンをもとに、自分で決めることができます。

それこそ瀬戸内海のような、穏やかに見えて豊穣な内海がここちよければ、そこを遊覧するのでもいい。

あえて快適ゾーンから少しはみ出して、日本海や太平洋のような、ときに嵐も訪れる外海に漕ぎ出すのでもいい。

 

自分自身を正しく知ることで、実りのある、自分だけの生き方を見つけていきましょう。