HSP(敏感すぎる人々)という概念を知ってから、わたし自身も思い当たるふしが多々あることもあり、とても気になっています。
同時に、人によっては医学的な概念ではないといわれ、もっと深く、正しい理解をしていかないと、一面的なものの見方になりそうな予感もしています。
今回は、知人を通して知った、こちらの本をご紹介します。
HSPという概念で、過敏であるがゆえに生きづらさを感じていた人に寄り添いつつ、比較的ニュートラルに、データに基づいた冷静な分析がされています。
まずなにより共感したのは、敏感すぎる人の辛さは、敏感すぎること自身よりも、それがなかなか他人に理解されないことにある、という主張です。
騒音や冷暖房などの環境に対する反応や、他人の発言の受け止め方などには個人差があって、ある人にはなんでもないことでも、別の人には耐えられないこともあります。
「HSP」という概念が生み出されることによってはじめて、そういう人もいるのだということが世の中に理解される。
それが、そうした感じ方の違いを認め合える社会への第一歩といってもいいかもしれません。
そしてこの本ではさらに、「HSP」とひとくくりにされる敏感さにも個人差があって、それぞれに違う処方箋があるのだということを分析していきます。
いろいろな視点で見ることで、ものごとが違った表情を見せるように。
いろいろな切り口を考えることは、自分自身を理解する上でも、他人を理解する上でも大事なことです。
同じHSPということで理解しあえることもあれば、ささいなすれ違いで誤解を生むこともあるかもしれない。
けれど、それもきっと、乗り越えられないものではありません。
敏感すぎる人の生きづらさも、ものの見方を変え、行動を変えていくことで、少しずつ解消していくことができます。